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小沢信男 裸の大将一代記 山下清の見た夢

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小沢信男 裸の大将一代記 山下清の見た夢


     プライバシー保護の強化された今日では、知恵遅れの障碍者を何かしら才能があるからといって、世間に放置し、全国を放浪することは許さないでしょう。目には見えないが、隔離という檻の中にいると思われます。世間に交わって仕事するにしても、腫れ物を触るような扱いをされているかもしれません。敗戦前山下清は魚屋、仕出し屋、農家、一般の家の下男として、一人で面接に行き、採用されています。仕事が遅いといっては怒られていましたが、結構みんなから可愛がられていたのです。店の大将など清と話をするのがおもしろくてたまらんといった人もいます。清と話をすると段々ずれていって、常識というものが通用しなくなり、今まで自分たちが抱いていた常識が果たしてまとものものか考えさせるようなことが多々あったとあります。戦後徳川無声と対談していますが、暑いので、ふんどし一丁になってゴロンと横になって対談したそうです。当時無敵のタレントである無声を前にして、怖じけることもなく、堂々と自分の意見を言っています。戦前には駅の待合所で下半身をむき出しにしてみんなを笑わせていて、とうとう警察官に捕まり、その土地の精神病院に閉じ込められましたが、ここも隙を見て脱出し、あちらこちら乞食をしながら歩き回っています。今では各家々をまわっても、むすび一つもくれないでしょう。警察を呼ばれるのがオチです。ところが戦前や戦後しばらくは、このような乞食でも人々の施しを受けて、全国を歩き回ることが出来たのです。

もともと日本ではこうした障碍者を「まれびと」として「福の神」であると思う信仰があったのです。もちろん反対に厄害をもたらす神でもありますが、いづれにしても神様として大事に扱おうという約束のようなものを誰もが持っていたといえましょう。障害者のいる家庭は繁栄するという言い伝えも、この障碍者が福の神であるからです。健常者が村の規則を破ると村八分になりますが、この「まれびと」はもともと規則などお構いなしなので、村全体で守っていこうとしたのではないかと思われます。

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