[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
イランとアラビア半島の間にあるアラビア湾や、オマーン湾では、近いところでは100キロもないようです。船で行き来するのは簡単です。またチグリスユーフラテス川のメソポタミや文明と、インドよりのインダス川のインダス文明との通路である、アラビア湾、オマーン湾、アラビア海を繋ぐ距離は2000キロくらいです。これらの地域の出土品にはBC5000年頃のものが出てきます。はっきりとした文明の形を取ってきたのは、チグリスユーフラテス川方面でシュメールの王朝ができたのはBC3000頃、インダス方面ではBC2900年の頃です。当然その間に挟まれたアラビア湾やオマーン湾の島々や沿岸部にはそれぞれの文明の中継基地ができてきます。それらの島々にはそこでは産出されない銅製品が出土したりして、離れた地域から運ばれたものだとわかります。もちろん土器も同様です。この本を一読しただけでは、民族の変遷がどうであったかはよくわかりません。実際空白のところも多いので、はっきりとわかっていないのが実情です。学者たちは古墳を発掘して、クロスパズルのように、それらの空白を埋めていく作業をしているのでしょう。頼山陽が生きていた江戸時代、広島から江戸まで早ければ一ヶ月で着いたということを考えれば、2000キロの距離など一年もかからず、つくことができるでしょう。おまけにラクダや船があれば、もっと楽に到達できるかもしれません。このようなことを思うと、文明は孤立するものではなく、すみやかに拡散していくものであるということになります。今ではインターネットで瞬時ですが、古代もそれほど時間がかかったとは思われません。
下巻では、四つの有名な事件の裁判についてダロウの活躍を書いています。一つ目はシカゴでの黒人発砲の事件です。白人居住区内に歯医者の黒人が家を買い、移り住みます。その日のうちに、白人たち500人が彼の家を取り巻き、石を投げ始めます。それで黒人は銃を撃ったのですが、群集の一人が死にました。逮捕されて、裁判になったのです。警察では群集などいなかったといい、そこの町内の白人も石を投げたことがないと証言します。そこでダロウがかってでて、証言を逐一翻します。とうとう死んだ人の銃の弾は混乱した警察官が発射したものだということを証明し、黒人は無罪になります。
二つ目は、大金持ちの息子、若い17歳の若者たちの犯行を弁護したものです。一人はレオポルドといい、18歳でシカゴ大学を卒業し、もう一人はローブといい、17歳でミシガン大学を卒業している秀才たちです。この二人がやはり大金持ちの息子フランクス少年を殺し、身代金をとろうとしますが捕まり、裁判になりました。二人は自供し、大金持ちの息子ゆえの、一般市民の怨詛のため、縛り首はまぬがれない世論の状況になってしまいます。そこでダロウは慈悲と寛容の精神を、かつ犯罪者が未成年であることを陪審員に重々と説き、縛り首から終身刑に変えることができました。はじめローブの伯父がダロウに頼みに来た時、終身刑に変えてさえくれれば、お金はいくらでも支払うといって、世間の予想では百万ドルにまでなっていましたが、裁判が終わると、3万ドルしか払いませんでした。この伯父の別れ際の言葉が、金持はシブチンということがよくわかるというものでした。
「ダロウ、君も知っている通り、世の中には、この事件のような裁判で名声を得るチャンスがつかめるなら、自分のほうから大金を積んでもいいと考えている優秀な弁護士がたくさんいるんだ」
恩義にあずかってもこのようなことを言うのでは、彼らの息子にはおかしなものが出てくるというのがわかるような気がします。
三番目は「進化論裁判」です。進化論を教えた高校の教師が州法に違反するということで逮捕された事件です。ダロウは裁判で聖書主義者のブライアンをコケにし、社会の笑いものに仕立てました。しかし未だにアメリカでは宗教が政治を動かしています。
最後はハワイでの海軍将校の妻の強姦事件から、その強姦事件の容疑者殺害までになった事件の裁判です。白人の妻を強姦した容疑者は、日本人とハワイ現地人とがいて、将校はまず日本人を拉致し、殴ったりして自白させます。後で日本人は脅迫されて言ったことで事実ではないと反論します。そこで将校と同じ海軍の水兵二人でハワイの現地人を捕まえ、これも暴行を加え、自白させます。自白したところで水兵の一人が銃でこの現地人を殺します。沖縄でもそうですが、アメリカ兵がいると婦女暴行が絶えません。ハワイでも人種問題が絡み、単なる強姦事件では収まりきれない状態になってしまいます。ダロウは殺人を犯した水兵を無罪にさせ、同時に強姦された女性の裁判も切り下げさしています。水兵を無罪にするかわりに、強姦者も特定しないし、その裁判もしないということで結着つけたのです。
最後にダロウがいかにアメリカで有名であったかの言葉を紹介しておきましょう。
「われわれの時代の偉大なアメリカ人を三人あげれば、それはルーサー・バーバンク(植物改良家)トーマス・エジソン、そしてクラシンス・ダロウであろう。バーバンクは大地の力を解放することに貢献した。エジソンは自然の力を解放することに貢献した。そしてダロウは人間の精神を解放することに貢献したのである」(ある牧師の言葉)
裁判官は普通200件くらいの裁判案件をかかえています。込み入った裁判では読まなければならない書類は大変な量になります。おまけに判決書を書かないといけません。だから裁判官は和解を勧めるのだそうです。和解になったら判決書を書かないでもいいからです。おまけに判決書を書いた後で、上訴され、上級審でその判決を否定されると、自らの出世にも響くので、ボロを出したくないのです。そうは言ってもボロは出てくるのです。蛇足判決というもので、必要以外なものを書いている判決が多いと言っています。判決書には主文とその判決を導き出した説明文とに分かれます。その説明文に蛇足があるということです。よく読めば判決と真反対のことを言っている説明文もあるそうです。その例が自衛隊の海外派遣の裁判です。控訴審で、原告は棄却されたのですが、説明文では憲法に違反しているということを書いています。原告は裁判に負けて慰謝料は取れなかったけれど、彼らの主旨は認めてもらったということになります。井上馨によると、控訴棄却となったら、憲法がどうのこうのという必要が無いということです。この裁判官は、司法権から逸脱し、立法権まで入ったということになります。
日本の裁判は形式的なものが多いので、アメリカのシンプソン裁判のように、弁護士と検察官の丁々発止の論戦などは期待できません。それで裁判官も退屈なものですから、居眠りをしたり、マンガを描いたりしている裁判官もいるようです。
今年もドラフト会議が終わり、多くの高校生がプロにスカウトされました。元永によると毎年100人ほどが首を切られ、100人ほどが入ってきます。ドラフト1位になれば契約金1億円、年収1500万円で、出来高ばらいということになっていますが、何事も裏があるということで、これ以外に多くカネが出ているかもしれません。しかしプロになって成功する選手は一部で、たとえドラフト1位であっても、いつの間にかプロ球界から消えている人もいます。もともと実力が無かったのか、努力が足らなかったか、故障でだめになった選手もいます。でも最もかわいそうなのは、コーチからフホームを何やかや言われて、自滅した人です。どうも日本では「型」があって、茶道でも華道でも柔道でも剣道でも、理想的な型があって、誰もこれもこれに押しはめることが上達の秘訣だと思っている節があります。私がビックリしたのは外人の選手のバッティングホームや投球ホームです。ほとんど好き勝手にやっています。これでも打ったり打ち取ったりしています。でも日本ではコーチに逆らったなら、試合に出してくれないというイジメがあるようです。いわゆる飼い殺しです。将棋の米長は師匠に自分のまねをしろと言われ、師匠の真似をすると、師匠以上に伸びないと言い、師匠から殴られています。しかし米長は師匠を真似ないことで、名人にもなりました。野球は団体競技ですから、コミュニケーションも必要ですが、才能を潰すような指導だけは止めていただきたいものです。
広島カープの丸のFA宣言ですが、巨人が25億円以上出すといっているようです。広島では17億円。選手生命は短いのですから、丸にとって25億円は魅力でしょう。いくら黒田が安い給料で広島に帰ってきて「男ぶり」を発揮しても、それまでメジャーリーグで稼いでいるので、名誉を重んじることができました。丸は広島で他の球団より安い給料で働いてきたのですから、後何年活躍できるともわからないので、やはりもらえるときはもらって、老後を心配なく過ごせる手立てを企てるべきです。
20世紀の初頭のアメリカは、西部劇の時代をやっと抜け出した頃であり、資本家だといっても、若い頃はインディアンを殺戮してその土地を奪ったり、黒人を酷使し、言うことをきかないとリンチしたり、牛泥棒をしたりして豊かになった人か、その人の息子や娘です。弁護士ダロウと敵対した炭坑主は、労働者を低賃金に抑え、それらの子供も炭坑で働かないと生活できないようにし、それも一日14時間も働かせ、会社直属の店でしか必需品を買えないようにし、その値段も二倍も高いというもので、二重も三重も労働者を搾取しているという資本家です。社会主義的な考え方をする人、共産主義者、無政府主義者など、このような社会を変えていこうという人が出てきます。この炭坑でも労働組合を作ろうとしたら、この炭坑主は、州の軍隊を知事に頼んで出動させたりします。とうとう事件が起こります。浮浪者が知事を射殺してしまいます。この浮浪者を炭坑主は労働組合壊滅に利用します。つまり労組幹部に頼まれて知事を殺したというストーリーを作ったのです。これには炭坑主からカネをもらったピンカートン探偵社の社員などが、うその証拠集めをしたり、証人を拵えたりします。この頃のピンカートン探偵はろくなものではなく、身分を偽って労組に入り、その情報を流したり、第二組合の労働者を殴ったりしてなどの過激なことをやり、警察の介入を招いたりしています。かつて日本でも三池炭坑でヤクザがクギのついた棒で労働者を殴っていました。ピンカートンの探偵もヤクザと同じことをしていたのです。弁護士ダロウは労働者幹部三人の冤罪を晴らし、無罪の判決を勝ち取りました。上巻は後もう一つの裁判のことを書いていますが、若い無政府主義者であり、労組の支援を受けたダロウであっても、本人たちが罪を犯したと主張するので、首縛りから懲役にするのがやっとでした。