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冨沢佐一 漱石と広島

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冨沢佐一 漱石と広島


    漱石と関係ある広島県人には鈴木三重吉くらいしか思い浮かべることができません。ところが、同級生、教え子、ファンなど結構多くて、書簡のやり取りをしています。

中村是公の招きで中国旅行をしたとき、鉄道は広島までしかできていません。広島の宇品から海路中国に渡っていったのです。その時第一高等学校で同級生の井原市次郎の店兼家に立ち寄っていますが、子供が病気で長居できなかったと書かれています。本通商店街の角地で雑貨や酒類などを売っていました。

漱石の妻鏡子の父は中根重一ですが、政府の重要人物でしたが辞職し、その後「相場や鉱山事業」で失敗し、漱石にカネを借りるほど零落しています。鏡子の話によると、福岡で重一の甥は工場を経営していたのですが、従業員に殺されたと話しています。

加計正文、名前からして町の名前になっているのですから、広島県加計町の大地主でしょう。この人は鈴木三重吉とともに漱石の授業を受けた人です。勉学の途中で実家に呼び戻され、町長、林業、銀行などした人です。正文は「ろう管式蓄音機」を買い、漱石の声を録音して、実家で聞いていたそうですが、「ろう管」が擦り切れて、だんだん聞こえなくなったということです。現在の技術でしても漱石の声の復活は無理なようです。

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