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文学では大げさだが、小説の概略史を私なりに述べてみよう。中世頃から行くと、俗に昔話、面白い話、騎士物語、日本では源氏物語は先走っているが、おとぎ話、軍着物などから発展して行きます。軍着物は少し違いますが基本的には女子供が喜ぶ話群です。パリ革命のころから社会が複雑になると、それに伴って小説も変化していきます。いろいろな学問が芽生えてきます。小説家という意識はこの頃まだあまりなかったようですが、徐々に女子供を楽しませるだけの物書きには忸怩たるものを感じ始めたのでしょう。大の男がこのような女々しい作業を一生続けるべきではないという通底音が無意識に響いていたのです。真の大人と対話するためにはどのように小説を変えていくかがこの頃から沸き起こったのです。その解決策として当時はやっていた社会学を援用した小説が出来上がったのです。ゾラ、バルザック、ユーゴーなど一連の巨匠たち、ちょっと遅れてディケンズ等々。19世紀になるとフロイトの精神分析学も出て心理小説も多産されます。この頃までの学問は何とか読めて頭の弱い作家で理解できていました。しかし20世紀両大戦を経て、今までの小説群、面白い話も、学問をまぶした話もたいして面白くなくなります。で今度は何をまぶせようとしたか?それはおむつの弱い作家では到底理解不能な科学と哲学にたどり着くことになります。数学の雑誌にいたずら好きの学生二人が偽論文を書いて提出したところ、それが秀であると評価されました。専門家でも騙されるぐらいこれらの学問は複雑なのです。それを学生二人よりももっと程度の低い作家が専門家の使用するタームを使って堂々と文章を書き連ねます。アインシュタインの「真理は簡明に宿る」を信じて。結局わけのわからない作品が出回ってしまいます。ソレをまたトロイ一般大衆が訳も分からず喜ぶので、それらの作家たちは宇宙創成をしている気持になっているのでしょう。