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哺乳類は恐竜時代から長年びくびくして生きてきたということから、「否定や逃走が肯定や接近に優先される」ということで、つまり簡単に言えば、「損を得よりも強く感じる」ことになり、それによって人間は不合理的な行動をとってしまうということになります。
昨日51歳の男が、刺身包丁で成人と女子小学生ひとりを殺し、数人の女子小学生に重症を負わせた事件がありました。この男は犯行後自殺しました。犯罪は「不合理な行動」そのものです。カーネマンのいう「ファスト&スロー」では「ファスト」とは長年培われた本能みたいなもので、本能のままで、つまり「損を得より強く意識する」行動すれば、おのずといろいろな支障が出てくるようです。この男も51年間も生きてきて、「損」ばかりしてきたという思いが累積して、今から先も「得」はない、それなら他人を巻き込んで自殺しようかという気になったかもしれません。今は恐竜はいませんが、厳しい競争が現代の恐竜かもしれません。現代の恐竜に追い立てられて、「ファスト」だけで対処しなければならないとしたら、人間おかしくなるのは当たり前です。時間がかかって取り残されようとも、使うと疲れが溜まろうとも、「スロー」を「熟慮」を行使しないと、まともな生き方はできないようであります。
ソ連が崩壊して、やはり資本主義が共産体制よりは制度としていいのだと思われていましたが、今日のようにごく一部の富裕層と大半の貧民層に二極分裂した資本主義社会が果たしていいと言えるかどうかです。共産主義の中国すら二極に分裂し、対立するアメリカとほとんど変わりありません。1%も満たない富裕層が世界の富の半分以上を手中にし、その金銭力で自分に都合のいいような社会を作っています。階級の流動性もなくなり、金持は次世代でも金持、貧乏人は次世代でも貧乏人ということで、中世の逆戻りです。それでもまだ中世では下克上もあり、まだ逆転の目がありますが、今からの資本主義社会は管理社会になり、一切の反抗は許されなくなります。中国のように監視カメラが町中に張り巡らされ、顔認識ソフトで怪しい者をしょっ引いて、臓器移植の材料にされます。ある国では死体は肥料にするという法律も出来ました。肥料になるのは貧乏にだけで、金持は立派な墓の下に横たわることができるでしょう。これから先もっとひどい格差が広がっていきます。このような社会で正常であることは異常なことで、大方が鬱になり、他にもいろいろな精神疾患が増加していきます。マーク・フィッシャーも鬱になり、2017年自殺しています。48歳でした。冥福。
懐かしい名前が出ています。加藤あきら(誠備グループの創始者)「兜町の風雲児」と呼ばれた相場師。広島能美町の出身です。彼の父親は株で破産しています。修道高校、岩国高校、早稲田大学を出て、紆余曲折し、証券会社に入り、そこで頭角を顕します。やがて資産家を募り、誠備グループを立ち上げ、仕手株で大儲けします。ヤクザ、政治家、芸能人、スポーツ選手など金を持っている連中がもっと金を増やそうとして、誠備グループに金の運用をまかせます。バックに笹川良一(政財界のフィクサー)がついているので、当時としては怖ろしいものなしです。
この頃の証券界は、後でばれるのですが、ヤクザや政治家などには損をしたら証券会社自身がその損を補填しています。インサイダー取引も当たり前で、法令無視のでたらめをやっていたのではないかと思われます。損をするのは小口の投資者だけで、大口の投資者は手厚い保護を受けていて、余り損をすることはなかったでしょう。今も余り変わりはないかと思われて仕方ありません。最近でも野村證券でも社長が減給の処罰を受けているので、何か不都合でもあったのでしょう。
酒井敏博も証券会社を経て証券アナリストになっています。ギャンブルはいつもそうですが、成功したことしか言いません。彼も自分が言ったことでお客さんの儲けがあっという間に300万円から1000万円になったという事例を出しています。成功の裏には多くの失敗があったということは間違いありません。証券アナリストと、猿とで、株の儲けを競わしたところ、猿のほうが成績がよかった実験もあります。
リフレ派の三橋貴明が、昭和初期のデフレの時、高橋是清がやったことを今の平成の時代でもやらないといけないといっている本です。(2012年出版)金融緩和と国債の発行と公共投資です。物の値段が下がり、給料が下がり、それでますます物が売れなくなる状態で、緊縮財政をやったり、公共投資削減をしたりすると、デフレを促進することになり、国民が苦しむことになるという論法です。リフレ反対派は、車の乗り入れもない高速道路を作ってもカネのムダ使いで、そこに労働者を投入しても、将来性ない職種で、つぶしのきかない人間になる恐れがあり、人材の無駄使いでもあると言っています。金融緩和をしても円安が起こり、一部の輸出産業は儲かりますが、輸入する原材料が高くなり、結局国富を失ってしまうことになるという論法もあります。
高橋是清の場合、デフレを公共投資、軍事予算の増加で克服しましたが、インフレーションの恐れが出たため、軍事費を削減しようとしたとたん、軍によって暗殺されました。令和の時代リフレのアベノミクスは成功しているのでしょうか。円安で物の値段が上がっています。相変わらず、大企業の労働者以外給料は上がっていません。デフレでもリフレでも中間層から落ちこぼれた我々の生活は当分苦しいことには間違いありません。
マイケル・ルイスの経歴。プリンストン大学で美術史専攻。ロンドン・スクール・エコノミクスで経済学の修士。美術商に1年勤務。親戚の関係で王室の晩餐会に呼ばれ、そこでソロモン・ブラザースの取締社長夫妻と出会い、ソロモン・ブラザーズに入社し、3年間過ごし、やめてこの本を出したらベストセラーになったという人です。「ライアーズ・ポーカー」とは、うそつきとかいんちきとかのポーカーのことで、ソロモン・ブラザーズが人の無知につけこんでしこたま儲けたことを書いています。ルイスの給料も初年度では4万5千ドル、ボーナスで4万5千ドル、9万ドル、やめるころには日本円で2000万以上もらっています。それ以上にソロモン・ブラザーズの役員たちは数億という金額を取っています。ハゲタカファンドならぬハゲタカ証券会社、債権会社であったのでしょう。それにしても一年にも経たないのに、仕事に精通し、会社に多大な利益をもたらしたルイスは、単なる美術に詳しいお坊ちゃんではなかったことがわかります。写真を見ると素直そうな顔をしていますが、内心は食えない男であり、そうでないとこんなにボーナスももらえないはずです。
本社の研修所には日本からも来ていましたが、ルイスによると、日本人はほとんど居眠りをしていたと書いています。でも当時日本は日の出の勢いのある国であり、債権証券も活況を呈した時代で、大のお得意さまであったようです。たとえ英語がわからなく居眠りしようが、これらが日本に帰ると、伝でソロモン・ブラザーズの勢力を伸ばしてくれると思い、甘やかしていたのかもしれません。このような驕りがバブルがはじけて何十年も浮揚できなかった原因かもしれません。