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幼いとき、線路に入って両手を広げ電車を止めたほど、電車に憧れた宇都宮さんは念願かなって、電車に乗車する仕事に就きます。好きなことを仕事にするなんて、現在ではなかなかできるものではありません。大方は糊口のために仕方なく仕事に就いているのではないでしょうか。難関大学に入り司法試験を受け裁判官になったとしても、純粋に裁判官が好きでこの仕事を入ったとは、なかなか言い切れません。医者や公務員や大会社の社員にしても、見栄えがいいからとか、生活が安定するからとかいった理由でなるだけでしょう。例外もあるでしょうけど、宇都宮さんのように電車を止めるほどの情熱を持ち合わせていないと思われます。この事件後、宇都宮さんは電車が何本も行き来する駅にいき、電車を見とれるようになります。そして高校を卒業すると、国鉄の食堂車を経営する会社に入ったのです。そこで、後輩の女性を見初め、蒸気機関車の「C5552」の前で結婚式を挙げます。これは新聞やテレビのニュースとして記録されています。また彼は蒸気機関車や電車の写真家としても、私は知りませんでしたが、この世界では有名な人物です。定年後、九州鉄道記念館に呼ばれて、福館長をしています。そして展示している蒸気機関車C59を磨いて、来館者がびっくりするほど「ピカピカ」にしています。彼が雑巾をもってC59を拭いている時ほど、至福な表情をしていることはないと思われます。何ともうらやましい人生を過ごされたものです。
お代わり自由なコーヒーがありますが、これはコーヒー豆に「3倍も抽出が可能な添加物」を加え、なおかつ風味や香りを補うため「合成香料」を添加するのだそうです。100円寿司のネギトロは「ゴミ同然のマグロの赤身に植物性油脂(ショートニング、つまりはトランス脂肪酸)添加物を加えて作った」ものだそうで、おまけにこの「植物性油脂」なるものは、大豆油やヤシ油に、「着色料や香料、塩などを入れ黄色っぽい油にし、グリセリン脂肪酸エステル、大豆レシチンなどの乳化剤を添加」したものだそうです。この本に漫画を書いている「めんどぅーさ」は高校生時代宅配すしのアルバイトをしていたそうですが、マグロの赤身に白い粉を混ぜた液に漬けると変色しなくなるそうです。スーパーで売っている刺身のつまも「殺菌・漂白」されています。「カビキラー」にような製品に使われている次亜塩素酸ナトリウムの液に漬けるのです。たぶんカット野菜にも使われているでしょう。マーガリンは体にとっていいものだと思っていたのですが、これは「トランス脂肪酸の一種で」「家畜を太らせるための二級のバターであって、分子式の水素を増やすだけでプラスティックに早代わりする代物」だそうです。牛乳も骨を強くするのだと思っていたら反対に骨を弱くするとも言っています。インフルエンザの予防注射も、している人としていない人の比較対照すると、している人のほうがかえって多くインフルエンザにかかるそうです。
もはや何を信じていいのかわかりません。世には「プラシーボ効果」なるものがありますから、スーパーで売っているものはすべて体にいいものだと思い込めば、そこに少々変なものが入っていても、何とかなるのではないかと、心細い感覚にとらわれます。
映画の黄金期昭和20年代30年代の映画を解説しています。映画に出てくる風景や、女優、物を見ると、「涙なくしてはみられない」状態になります。今ではそういった風景も、美しい女優も、当時ではピカピカした物もなくなっています。この本の中でのスティール写真を見ると、私の父や母ががんばった時代がそっくり映画に残っているような気がしてきます。豊かになりたいという気持ちが映画にみなぎっています。その分当時の日本がいかに貧しかったがわかるのです。恋人たちの夢がステンレスのフライパンであったり、自活のためのミシンだったり、郊外の家だったり、コンクリート作りの家だったりするのです。
「三益愛子は、溝口健二監督の赤線地帯(昭和31年)では、一人息子の成長を楽しみにしている年のいった娼婦をえんじたが、そこでの彼女のささやかな夢は、いつか息子と二人で鉄筋コンクリートの家に住みたいだった。・・・そして哀れにも、息子に嫌われて頭がおかしくなり、精神病院という鉄筋コンクリートの家に入れられてしまう」
「キューポラのある街」の吉永小百合も少女然として、荒川の土手で初潮を迎えるシーンがあるときいて、そのようなものがあったかと改めて気づかされます。ぼっとして小百合を見とれていたのでしょう。高峰秀子、小暮美千代も若いときの一番きれいな時を写真に焼き付けています。今私には少ない将来しかありませんが、過去は半世紀以上にもなり、そこに沈潜して牛のように思い出を反芻しているのです。
私が知らぬ間に世の中はドンドン変わっていくのが、この本でわかります。今の朝食はご飯と味噌汁ではなく、ホットケーキの上のクリームを一杯撫で付けたものがはやっているそうです。朝っぱから甘ったるい菓子を食べているのです。アメリカ人の朝食そのものです。またこのような店が出来て行列をなしています。
立ち食いのフレンチもはやっています。焼き鳥では考えられますが、フレンチで立ち食いとは!常識が通用しない時代になっているのでしょう。
健康器具会社が丸の内に「タニタ食堂」を作り、和食で健康志向の料理を出し、お客さんが一杯だそうです。日替わりメニューを見ても私の店で出すものとあまりかわりないのに、一方は一杯なのに私のところはガラガラということは、たぶんプレゼンテーションの仕方がうまいからでしょう。
食べ放題の店や、回転すしは、飲食業界の不振の中で唯一気を吐いています。ますますチェーン化し、巨大になっていっています。私のように「一人店主」はもはや絶滅危惧種になっていくでしょう。
絶滅危惧種はそれなりに気概があります。恐竜全盛期の哺乳類のように、昼間は活躍できないが、夜こっそりと少ない餌を漁ることに徹して、巨大隕石が落ちるのを待ちましょう。その間ホットケーキミックスとホットクリームのパックを買って、今はやりのものを作ってみて自分で食べたりするのもいいかもしれません。