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日本はアメリカに第二次世界大戦とプラザ合意による経済戦争で二度も負けていると言っています。それ以降日本は経済成長が鈍化し、中国にも韓国にも追い抜かれつつあります。先進国の面子も維持しづらくなっていて、貧困率も高くなっています。もともと資源がない国で、人だけが多かったので、人を教育してモノづくりに精を出したのです。ところが経済戦争で、日本で物を作っては経費、とりわけ人件費が高くつき、工場は海外に流出します。日本の労働者は給料の伸びがストップし、反対に下がり始めました。非正規雇用が増え、結婚もままならない不安定な生活を強いられている人が多い。バブルがはじけた後の政策がまずかったということもありますが、それ以上にアメリカの言うことを素直に聞いたからです。
石油高騰でバイデン大統領は備蓄石油の開放を日本に提言しましたが、これも注意しないと、一挙に日本が困ることになります。日本には石油は産出しません。アメリカは埋蔵の石油があるのです。一大事な時に石油がないということは第二次世界大戦でよくわかっていることです。
2,3日前佐藤優はポーランドとベラルーシとの間の移民の受け入れ問題についてレポートしています。下手をするとこれが第三次世界大戦になるのではないかと心配しています。裏でロシアとEUやアメリカとの対立があるからです。北方領土の問題もこの本が書かれた当時の状況下では楽観的なものでしたが、結局何ら進展はなく、第二次世界大戦で勝利して勝ち得たものとして、盗んだものではないと居直っています。中国とロシアの合同艦隊が津軽海峡を航行し、日本に対していやがらせをしています。尖閣では中国がたびたび領海侵犯をし、竹島では韓国の警察庁長官が上陸して我々の神経を逆なでています。
「ロシア報道を読み解くことで真実がわかる」と書いています。プーチンの顔を見ただけで、眉と目の間がほとんどなく、KGBのスパイの長官をやったくらいですから、陰険そのものだとわかります。ロシアだけではありません。中国、韓国、北朝鮮もいくら条約を結んでもすぐ反故にする国ですから、警戒心をもって見定めなければなりません。
ブッシュ大統領(息子)の時のイラク戦争でどれだけのコストがかかったか、答えは2008年時点、大よそ3兆ドルだそうです。今年の2021年の末までにアメリカ軍はイラクから撤退しますが、この本の出版が2008年で、イラク戦争が始まったのが2003年、だらだらと18年間もアメリカはイラクに関わったわけです。2008年で3兆ドルですから、2021年までかかった費用は5兆6000ドルという試算も出ています。
イラク戦争の口実は大量殺人兵器を作っているということでしたが、そのようなものは一切なく、明らかに核兵器爆弾を作っている北朝鮮には石油などの資源がないものですから、ほっとかれ、それ幸いに北朝鮮は核兵器の小型まで成功しているようです。ブッシュやその他の閣僚たちは石油利権に絡む企業との関係が深く、石油資源のために戦争を引き起こしたと言われています。おまけにアメリカでは戦争が公共事業になっていると言われる通り、何年かに一回は戦争しないと軍需製品が吐けないという体質になっているようです。どちらの企業も政治家に多額の寄付をしています。金をもらっている以上彼らの要望も聞かないといけません。どうもアメリカの民主主義は金儲けのための体制作りにあると思われます。
角川総一が業界紙に入って、野村證券の人を取材した時、彼からもう少し勉強してから来いと言われました。京大でも文学部出身ですから経済のことはあまり知らなかったのでしょう。それから一念発起して経済学の本を読み始めます。仕事からの読書は、私のように時間つぶしの漫然と読む読書とは違います。ある目的意識をもって、すなわちアウトプットを想定しながら、インプット=読書するということです。含蓄のある言葉です。プロになる人はみなこのような勉強をしてきたのでしょう。
この本では図版が多く出ていて、経済に疎い私でも少しはわかったような気になりました。それにしても驚いたのは日本の対外純資産は世界一で、この本の出版時の2018年には349兆円もあり、2020年には356兆円まで増えています。日本は衰退する国と言われていますが、こんなにも世界に貸し付けているので、その利子だけでも当分食っていけそうです。反対にアメリカは借金だらけの多重債務者の国ですが、普通ならあちらこちらの街金に拝み倒して金を融資してもらう身なのに、偉そうにふんぞり返っています。まだまだこの歳になってもわからないことが多くあります。
このグローバル下、障壁なき世界を推奨する人たち=富裕家・資本家、ここでは具体的な例としてアップルを出してみましょう。アップルは自国のアメリカ人を使わないで、賃金の安い中国にアイホンの委託生産をしています。つまり資本を中国に注入し、中国はこの輸出で黒字になりましたが、それ以上にアップルは、アイホンの輸出と中国に貸し付けた金の利子で儲けているのです。それも本社をアメリカ以外のタックス・ヘイヴン地に置き、アメリカには税金をほとんど払っていないのです。ますます中間層から貧困者の方へ脱落していきます。中国は黒字の国、アメリカは赤字の国となっていますが、実際は富裕家・資本家と資金を持たない人々との「階級闘争」であると言いたいのでしょう。日本でも同じことです。サラリーマンの給料が下がり、非正規雇用が増えるということは日本の富裕家・資本家が同じことをやっているからです。金がないからものが買えない、日本は魅力ある市場ではなくなりました。今のところ日本人は現状に慣れる得意技をもっていますから、動乱ということは起こらないでしょう。しかしコロナで外出禁止というだけで大騒ぎする国民では、黒字国をバッシングして、本家本元の富裕家・資本家のバッシングにはおよびがつかないかもしれません。