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デイヴィッド・モントゴメリー 土の文明史

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デイヴィッド・モントゴメリー 土の文明史


      文明がなくなったということは、農業をしたことによってであると言っています。世界史でいろいろな国が衰亡しましたが、すべてこれ農業によるものだそうです。メソポタミア、古代ギリシャ、ローマ、中国、エジプト、マヤ文明、最近ではイースター島、すべてこれ、森林を切開き、土を耕し、種を播き、人間にとって食料となる植物を育てたからです。どういうことかというと、森林を切開き、土を耕すということが問題なのです。樹木は土をとらえて流れ出さないようにしています。木を切って裸山にすると、雨が降ると流れ出すように、畑でも雨や風で土が流れ出したり、吹き飛んだりするのです。それも人間の手で土を耕しフアフアにしているからますます土は飛び散ります。最初の2,3年は食物が育つかもしれませんが、徐々に表土が削られてゆき、だんだんと育たなくなり、砂漠化し、最後にはその土地を捨て去るのです。つまり文明の崩壊です。今砂漠になっているところはかつて森林があったところです。イースター島もかつて島全体が森林で覆われていました。木を切り倒し、家を作ったり、船を作ったり、巨石に彫刻し、丸太の上に載せて移動させたり、開けた土地を畑にしたりしていました。ところが島全体の木を取り尽くすと、畑の表土も流れ出し、食物も余り作れなくなり、争いになり、人肉を食ったりするようになります。木材が無いので洞窟に住むようになり、もちろん船もできないので外に脱出することもできません。もはやその頃になれば、家の作り方や船の作り形も巨石をどう運んだかもわからなくなっています。文明の崩壊です。

現在の文明を維持するためには、土を耕してはいけません。耕す代わりに収穫した後の実以外の残り物は畑にばら撒いてミミズの成育に心がけることです。それに少し前まで日本にあった肥溜めの復活です。人糞を水洗に流すのはもったいないということです。化学肥料よりは人糞、これに勝るものはありません。人類の存続のためには少々臭いことも我慢しないといけないでしょう。

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