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古代ローマ帝国の2世紀から3世紀にかけてアルテミドロスという人が「夢判断の書」というものを書いています。彼は同時に夢判断師で、それを生業にし、息子も夢判断師になっています。お客は商人、奴隷、女性、漁師などごく一般的な庶民です。地位の高い人はあまり来なかったようです。当時の夢判断師は故事やホメロスの物語、演劇などから夢採取し、それを援用して解釈していたようです。だから蛇など出てくると、たちまち凶であると解釈されました。アルテミドロスが普通の夢判断師と違うところは、凶と言われる蛇が出たところで、その夢を見た人物の地位や社会環境によって吉にもなるのだと解釈したところです。フロイトの考え方に似ているようです。現代では夢判断の根拠は無意味なものですが、彼が商売でいろいろな庶民と話したことで、古代ローマ帝国の社会生活の細部が浮き出てくることがこの本を読む重要なメリットだと言っています。
トーネマンがアルテミドロスのホメロスの解釈を間違っていると指摘しています。アルテミドロスの時代から1000年前のホメロスの作品ですから、ギリシャ語と言ってもずいぶん変化しているでしょう。今現在日本で源氏物語をスラスラ読める人はないでしょう。