1919年四川省の萬順に生まれ、1952年に東京に来ています。中華鍋と杓子と羽子板のような包丁だけをもって。技術は身を助けるというものです。日本人ならアメリカでは庭師になりますが、中国人はどこの国でも厨房人として成功しています。歴史で何度も飢餓を経験した国ですから、何でも食う習慣はついています。人間だってなますにして食っています。陳建民は食材を見てどう調理すればうまく食えるかが一瞬にしてわかったそうです。
陳建民 は中国本土で二度結婚し、一度目には娘、二度目には息子と娘を作っています。日本に来てまた結婚し娘と息子を作っています。息子建一も料理人になり孫も料理人になっています。全国に四川料理屋を開き、陳建民は1990年亡くなっていますが、彼の創業の精神は生き続けているでしょう。
故郷の四川に姉が生きているということで30年ぶりに帰りましたが、親戚一同が集まり、それぞれが金をくれと頼んだそうです。鄧小平の開放経済が始まり、だれもかれも金儲けに奔走する時代が来たのです。
NHKの料理番組の出て麻婆豆腐の作り方を紹介しています。本格的四川の麻婆豆腐ではなく、日本風にアレンジした麻婆豆腐です。
「私の料理には少し嘘があるね。でもそれいい嘘です。ニセモノとは違います」