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成田龍一 歴史像を伝える

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成田龍一 歴史像を伝える


   例えば芥川龍之介の羅生門で、それぞれ三人が出会った経験を述べている。それぞれ三人は経験した「事実」を述べているようだが、それらを読む私はそれらを統合してある妥当な「解釈」に至る。解釈は私一人ではないので、その解釈は絶えず更新されるべきものかもしれない。それを丹念に繰り返すことで「歴史観」が生まれるのであろう。

現在ロシアウクライナ戦争が起こっている。我々は毎日テレビでその光景を見ている。それらはまさしく事実の羅列であろう。例えばこの前の中国主催の一帯一路の会議で、ロシアのプーチンが部下に二人にアタッシュケースを持たせて会場に入ってきた。そのアタッシュケースには核ミサイルの発射指令の機械だと言われている。これら一連の事実の過程から、プーチンは自分の身に何かがあったら世界を巻き添えにして死んでやろうと思っているのだと私は解釈する。これは単なる脅しではない。古代の権力者は死後寂しくしないために、自分の側室、自分を世話してくれた人間を全て生きたまま自分の墳墓に入れている。隔世遺伝のプーチンこそ現代の恐怖の大王であるとわかる。

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