[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
ただいまコメントを受けつけておりません。
日露戦争ころまでは、維新ころ実際に刀で渡り合って、肝の据わった軍人が多くいたとおもわれるが、明治の終わりから大正、昭和のはじめにかけての受験エリートの軍大学出身者には口先ばかりで、謙虚さが無く、何かといえば統帥権を持ち出し、人に意見を言わせないようにし、そのくせ同じ軍人仲間の海軍と陸軍は非常に仲が悪かったということです。これでは戦争に負けるのは当たり前です。特に関東軍は国の方針をないがしろにし、勝手な行動をとり、張作霖を爆死させています。中国との戦争をもくろくために、見え透いた小細工の陰謀をたびたび起こします。おまけに日本のあぶれ者、犯罪者、ヤクザの様なものが朝鮮や中国に渡り、好き勝手なことをしています。これでは欧米の植民地主義者以上に嫌われるでしょう。森嶋守人は東大を出て外交官になった文人の人ですが、中国との折衝で、たびたび日本将校たちの邪魔を受け、太平洋戦争勃発時にはポルトガル公使になったということですから、軍事政権から左遷されたのでしょう。チャーチルが言うように歴史はほんの小さなことからも流れが変わることもあるが、かといって大きなうねりとなると、個人の力では留めようがなくなるということはこの本を読むとよくわかります。口先ばかりで肝の据わっていない人間が政治をすると、行き着くところは破滅だということです。