昭和から平成にかけて、日本の食生活は四段階にわかれます。敗戦前までの昭和初期、敗戦から6、70年代の昭和中期、それから後期、平成となります。敗戦前までの昭和初期は、上流階級ではカツレツとか、カレーとか洋食を食べていましたが、一般は飯、漬物、味噌汁、野菜の煮たもの、たまに魚という貧相な食事です。敗戦から6、70年代の昭和中期、われわれ団塊世代の母親の時代ですが、何もないところから徐々に豊かになり、基本的には昭和初期を踏襲していますが、NHKの料理番組や主婦の友の料理記事によって、カレーなど大ご馳走として食べることができました。われわれ団塊世代の女性が結婚し、子供ができますと、フェミニズムの影響から、彼女らの娘たちに家庭料理を教えるということがなくなります。家事ばかりして報われない人生だと思ったのでしょう。娘たちにはもっと勉強して有意義な人生をすごしてもらいたいという気持ちからなのでしょう。それで昭和後期は料理音痴な娘ばかり出て、米を研ぐにも、中性洗剤を使って洗い出す女性も出てきます。同時にコンビニとか、出来合いの惣菜を売るデパチカや冷凍食品が出回り、料理をしなくてもいい時代になります。ところが「おふくろの味」に郷愁を抱く一部の男たちが、昔から日本男子に伝わる訓戒、厨房に入るべからずというものをかなぐり捨てて、料理し始めます。それから平成に入るのですが、男子では料理お宅と、コンビニ・外食派に別れ、女性では、料理エクスパート派、料理チャランポラン派、料理無関心派に分かれ、混在しつつ現在に至っています。