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解説にも書かれているように、西欧先進国の民主主義には心して用心しなければなりません。白人の男も女も民主主義は本音では自分たちにしか通用しないと思っています。つい最近まで奴隷をこき使った人々です。アメリカに赴任して、その日本人の妻が便所掃除していて、それを見た息子の同級生がお前の家はメイドが雇えないほど貧乏なのかと聞いたとあります。依然として彼らの心の内は、このような汚い仕事は奴隷にやらすべきだと考えているのです。犬の離し飼いを黒人に注意された白人女性が警察に黒人に襲われていると嘘の電話をして大顰蹙をかっていましたが、これも白人種のおごり高ぶりです。ステファニー・ランドは白人種ですが、シングルマザーになり、学歴は高校卒でしかないので、清掃業につくしかありませんでした。アメリカでもシングルマザーは生活が困難で、いろいろな福祉を受けていますが、それを受けるにも何十枚の書類を書かねばなりません。低賃金とハードワークに苦しめながら一人娘を育てていきます。同時に大学の創作学科を卒業し、この様子を描いたのがこの本で、オバマ大統領も推薦しています。一挙に極貧からセレブに駆け上がります。これはこれでいいのですが、日本でもシングルマザーの経済的困難さは計り知れないものがあります。しょうもない男にくっつかないでもいいような賃金や手当が必要だと思われます。
年代順にカリグラ、ネロ、ドミティアヌス、コンモドゥス、カラカラ、エラガバルス。分類としては、カリグラとエラガバルス帝が淫蕩、ネロとコンモドゥス帝が放埓、ドミティアヌスとカラカス帝が残虐帝となっています。ネロの狂態はよく知られたところで、母殺し嫁殺し先生のセネカも殺しています。元老院も何人も殺されています。芸術愛好家で自ら舞台に立っています。おまけに性の領域は広く、ジャニーズ事務所の死んだ社長も真っ青な顔になって逃げるくらいです。このような愚帝が出ても、ローマ帝国が長く続いたというのは、「小さな政府」だったからだそうです。広い国土を征服しても、税金さえ払えば、あまり細々しいことを言わなかったからです。要するにその地の支配者を派遣しても少数であり、その地の慣例を尊重し、今まで通りの生活を維持していたからです。
プーチンは死後賢帝であるのか愚帝であるのかどっちでしょうか。といっても核兵器を使用すれば世界は終わりなのですから、それらの評価も意味がなくなるでしょう。
和田静香がいつも貧乏しているのは静香さんのせいではありません。この本で国会議員の小川淳也が示したように、日本政府は明治維新から「富国強兵」であり、個人より企業、下流人民よりは高級国民に援助するような税金の使い方をしているからです。だから家族も作れない非正規雇用だって生まれてくるのです。家賃の安い公共住宅を量産して住の安心を目指そうとはしません。その代わりに建築会社に援助して富まし、税金と政治家への援助を期待します。そのおこぼれで高額な住宅が建つということです。売り上げがどんどん上がっていく高度成長時代の経済はもはや時代遅れです。環境の破壊しかもたらさないのです。やがて日本も人口が減って、江戸時代の3000万人くらいになれば、人は大切にされるのではないでしょうか。
ジェームズ・ブラッドワースはイギリス人です。労働者階級の出身でありますが、大学を出て雑誌にコラムなど書いています。イギリスの労働者階級の子弟は大学など行かなくて中学生ころから職業学校に行きます。ビートルズも中学生ころはデザイン学校に行っていたのではないでしょうか。フリーガンに象徴されるようにサーカーなどの試合で荒れ狂い、炭鉱に潜って、一家の主として大いにえばった時期がありました。イギリスが衰退期になると炭鉱も閉山し、現在一家の主としての権威はなくなっています。今や日本と同じで非正規雇用が多く、一家を支えるほどの収入を得ている人はそんなに多くはいません。おまけにポーランドやルーマニアの移民とパイを勝ち取ることに争っています。低収入でもがんばる移民たちに負けて、失業者になり失業保険で食いつないでいる状況です。ジェームズ・ブラッドワースが務めた多国籍企業では大方移民たち仕事を担っています。日本もやがてこうなるのでしょうか。イギリスでも一極集中、金持ちはますます金持ちになり、中産階級は雪崩を打って下層階級に落ち込んでいるようです。