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内田魯庵全集補巻1

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内田魯庵全集補巻1


      第一世界大戦が終わり、不景気になり、労働運動や米騒動が起こった大正前半に書かれた随筆集です。今も同じことを言っていますが、当時でも魯庵は日本人の労働者の我慢強さに感心しています。この俸給では食っていけないのに節約に節約を重ね、中間層の体面を維持しようとする俸給者に自分の身を重ね、日本の辛抱強さに驚嘆しています。この頃魯庵の一家全員が病気になり、看護代が魯庵の収入を超えたりしています。家族だけではなく女中二人も病気になり、バナナを食いたいとか、リンゴを食べたいとか贅沢三昧を言い、腹を立てています。またこの時代には成金もいて、北海道の画家ですが、息子のフランス留学について行き、帰りにフランスの売春婦を連れて帰り、日本の正妻に花束を渡すように強要したバカがいたそうです。第一次世界大戦後のできた国際連合に日本は人種平等の法案を提出しましたが、このように日本国内での婦人の地位、朝鮮人差別など引き合いに出され、なすすべきもなく廃案にされました。魯庵はこの当時に日本を、日清、日露でたまたま勝ち、この第一次世界大戦で濡れ手に粟の幸運をつかみ
5大強国になりましたが、実際は文化レベルも低く、誇れるようなものは何もないと言っています。

魯庵は長女を幼くして亡くし、次男は野球の練習のし過ぎで結核になって死んでいます。さぞかし残念であったことでしょう。

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