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好井裕明 「あたりまえ」を疑う社会学

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好井裕明 「あたりまえ」を疑う社会学


    物理学で、観察するものがいれば、観察されるものはすばやく変化するというのがあります。社会学もフィールドワークをするとなると、統計という高みから物事を解釈する方法と違って、人と人の関係になるのですから、お互いに歩み寄りか反発か無関心かになるはずです。いずれにしても観察者が観察されるものの中でうごめくと、そこには必ず流れや風圧が生じます。いやおうなしでも観察される人自身も何か変化をこうむるわけです。それがまた観察者にフィードバックして観察者も変わっていくとなります。

たとえばアマゾンの未開な土地にアメリカの人類学者が入ったとします。その途端に未開な人々の集団はもはやかつての未開からはるか遠くに来ているはずです。なぜならアメリカの人類学者がいるということはもはやその集団に自分と色の違った人間がいるということがわかり、世界には自分たちだけではないということもわかるはずです。タバコとかライターなど持ってくると、ますます彼らの社会の変化は加速することになります。たった一人の異質なものが入るだけで、もはや牧歌的な未開の土地ではなくなるのです。

社会学も理論物理学と違って、試行錯誤する実験的物理学のように、このようにすればこのようになるのではないかという仮説の検証のような学問になっていくのでしょう。

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