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ケインズより前にケインズ経済手法を実地したのが高橋是清です。金本位制をやめ、ドルやポンドより円を安くし、輸出しやすくし、赤字国債を発行し市中に紙幣を投入する積極的な経済政策を打ち出したのです。それによって1929年の世界恐慌からいち早く抜け出ることができました。景気が不景気な時はデフレ政策よりはインフレ政策をとるほうがより効果的だということです。ある程度のところまでいったのなら、また財政を締めて、過熱を下げるという考えでしたが、1936年の2・26事件で殺されます。それ以降軍事費の増大が止まらなくなり、日本の破局になっていきます。軍事は外交の最終手段であり、軍部が政治権力を握ったら、もはや戦争するしかないでしょう。青年将校たちは浅はかというほかありません。またそれらの上層部も青年将校をコントロールできなかったということは万死に値します。高橋是清は、当時中国人に対する日本人の侮蔑を大いに嘆いていました。下の者はおおっぴらに中国人を「チャンコロ」といっていました。敗戦後生まれの私らも「チャンコロ」とよく言っていました。日清戦争で勝って以来中国人を馬鹿にする癖がついたのでしょう。いまでも日中間で問題があるとき、中国は日本の「歴史観」を問うてきます。朝鮮もそうですが、他国民を馬鹿にするようでは仲良くなれるはずがありません。ところがアメリカから馬鹿にされたら途端に戦争です。自分の実力も省みない暴挙を行ないます。高橋是清はアメリカで奴隷にされてもこれは勉強だと考え、アメリカに憎しみなど抱かなかった。このような人も日本にはいるのですが、いかんせん人数は少ないのです。大概は私のように付和雷同して「チャンコロ」などはやし立てて、相手と諍いを起こす連中が多いのです。民度の低さというか、どうしようもないことです。
高橋是清はペルーの鉱山経営に失敗し、無一文になります。大邸宅から、その隣の長屋に引っ越します。妻などが体裁が悪いから遠くに引っ越しましょうといってもききいれませんでした。
「人間は天命に安んじなければならぬ。その分に安んじその現に従事する職務
にむかって渾身の精力を傾倒して奮闘しなければならぬ。誠心誠意を以てその職務のために努力しなければならぬ。その時々の環境に応じて身を処し。世に対せねばならぬ」