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この文庫版1,2は縮約本だそうで、本来の本はこの文庫本より10倍くらいの分量があるでしょう。縮約本ですらわけのわからないところがおおく、完訳本ではきっと気が滅入ってしまいそうです。馬がお経を聞かされるようなものです。馬ながらも、「西洋の没落」というヒントで、少し考えて見ましょう。どの文明も誕生、興隆、衰退、死を繰り返してきました。だから現在世界を支配している欧米の文明もやがて終わるときが来るだろうということです。つまり数学の発展から科学も発展し、それにつれて工学も精密な機械を作り、そのために工場ができ、農村から人が出てきてそれらの工場で働きだします。ということは人が密集する都会ができるわけです。ネズミでもそうですが、密集すると喧嘩が多発したり、ホモやレズのネズミもでてきたりします。挙句の果ては集団自殺をもするようになります。人間も同じことで都市化すると、出生率が下がります。マヤ文明が滅亡したのも、獰猛なスペイン人によるものではなく、スペイン人が来る数世紀前から人口集中により民族の勢いがなくなっていたのです。現在アメリカでも白人の出生率は下がり気味で、それに反して黒人やイスパニック系がドンドン増えています。アメリカだけでなくヨーロッパでも、西洋文明を支えていた白人種の出生率(フランスだけは例外)は下がっています。シュペングラーはそれを「民族の自殺」と称しています。女性の識字率が50%を超えると、途端に出生率が低くなるという調査結果も出ています。男でも女でも頭を使うことほど疲れるものはありません。文明化されるということは、いやおうでも頭を使わざるを得ません。疲れ果て子供を生んで育てようとする気力がわかないのかもしれません。シュペングラー自身も結婚した様子もなく、子供もいないようです。勉学に疲れ果て、女性を抱く意欲もなくなっていたのでしょう。
森羅万象をある哲学でまとめることは無理なので、哲学者は観相者であらねばならぬとシュペングラーは言っているようです。哲学は観相学であり、時代の流れを見、かつ未来を予想する占者でもあるということです。
「日本のベスト・アンド・ブライテスト(最良で、聡明な人)の頂点に立った者が不明を恥じるほど事態は予測不可能だったのか。あるいは、日本のベスト・アンド・ブライテストは事態の展開を予測できなくても頂点に立てる程度のものなのか」
政治家、大蔵官僚、日銀など日本の経済の動向を見極める者たちがほとんどその能力がなかったということです。金余りから銀行が土地売買の投機に走り、新規なものを生産する企業に投資せず、簡単に儲かるギャンブルの手を出したために、浮かれた経済を止めることができなかったのです。それでとうとう総量規制なるものを行って、一挙に土地に回る資金を断ったのです。ソフトランディングできなくて、日本経済は墜落で大炎上です。1990年以降今でもその影響は残っています。
日銀の総裁の三重野は自己弁護でこう述べています。
「米国は自分の国の要求を国際協調の名も下に押し付けてきている。米国は自分の利益を非常に大きく考えて、それを他国に要求するというきらいがあった」
対日赤字が大変なものだから、日本に利率を下げ、円高に持って行き、日本の内需を増やすことを要求したのです。バブルがはじけて、日本がアメリカに対して第二回目の敗戦を称していますが、どの国だって自国ファーストが当たり前です。なぜ日本だけがアメリカに気兼ねしているのでしょう?安全保障をアメリカに頼っているから。もちろんそれもあるかもしれません。それ以上に田中角栄がアメリカにはめられて、政治生命を失ったということが、日本のエリートの頭の中で刻み込まれているからでしょう。
咆朴子、本名葛洪4世紀初期の人で、後漢が終わり、魏、呉、蜀がお互いに争い、やがて西晋から東晋にまとまりかけている状況のときです。軍に入り、反乱軍を押さえ込んだ手柄で、東晋から邑200戸を与えられたとあります。それから仙道を極めるために広州に家族共々と行き、そこで81歳まで生きたということです。
我々が仙人で思い出すのは、三木のり平の久米の仙人のコマーシャルです。桃屋のらっきょの宣伝をしていました。久米の仙人とは女の股くらを覗き込んで、空から落ちたダメ仙人です。仙人になれば空を飛ぶくらいは朝飯前で、もはや死ぬこともなくなります。だから秦の始皇帝や漢の武帝は不死を約束する「金丹」の製造を仙人に求めて、大枚をはたいていましたが、だれひとりそのようなサプリメントを作くれるはずがありません。始皇帝などは水銀など飲まされて、かえって早死にしたのではないかと言われています。日本に流れ着いた「徐福」も、始皇帝から金をもらい「金丹」製作の材料を求めて日本に来たと言われています。
仙人思想は道教から生まれ、国は表向き孔子の儒教で家は統一されますが、裏では
個人は自由闊達な老子の道教に憧れ、空と飛ぶとか、未来が見えるとか、それよりも永劫に死なないということが漢人の要求にピッタリあって、仙人になると、天女が舞い降り、いたせりつくせりの介護をしてくれ、食事の世話、セックスの相手までしてくれるのだということで、現世利得に目ざとい中国人には最も好ましいものだといえるでしょう。
しかしながらこの中国人の夢も最近の科学の発達により、夢ではなくなり現実味をおびてきています。遺伝子操作で150歳くらいまでは長生きできそうです。
民主党政権になり、蓮舫議員の事業仕分けなどでエリートの官僚たちがないがしろにされと、官僚たちのサボタージュが始まります。民主党は始めて政権をとったものですから、官僚の使い方をよく理解しなかったからでしょう。おまけに自分たちがすべてやり、官僚たちは自分たちの命令をきいて仕事をすればいいのだという態度ですから、それはプライドも傷つけられ、むっとするでしょう。政権が自民党に戻り、安倍政権になると、官僚たちは今まで以上に政権に擦り寄ります。民主党の3年間の悪夢を繰り返さないためにも、政権に協力し、公文書の偽造までしてつくそうとしていました。去年安倍総理は病に倒れ、菅政権になりましたが、アベノミクスはどんな評価なのでしょうか?株価は上がっていますが、コロナの影響もあり景気がいいとは思われません。雇用も非正規だけが伸びていましたが、このコロナで失業者も多くなっています。株価高騰は年金資金を流用しているからだと思います。アメリカ金融資本にうまくだまされて、根こそぎ持っていかれるのではないかと心配です。給料の上がっているのは一部の大企業の社員だけであり、依然としてサラリーマンの給料は消費税とか、健康保険や年金の掛け金の高騰から減っているようです。G7で日本が最も貧乏な国になっています。見栄を張ってG7に留まることをしないで、中進国になって自由に経済活動ができるようにすれば、一々アメリカからお小言を言われないで済むかもしれません。