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小説家や随筆家のおカネに関するアンソロジーです。コロナによる自粛経済によって私もそろそろお金がないといった状態になるかもしれないと思うと、この雑文集を真剣に読むことになります。
寺山修司の「手相直し」では生命線も頭脳線も短いという自分の手相を直してもらうために、柱時計を持ち出し質屋で換金してその費用に当てようとしたのですが、その柱時計では500円も借りられなくて、結局手相直しは諦めたということです。手相の生命線では30歳くらいまでしか生きられないと出ていたそうですが、30過ぎて自分の手相を見ると、手相直しをしようと思った子供時代を思い出して「侘しく」なると書いています。修司は48歳まで生きていますが、やはり短命と言われるでしょう。私なら修司に500円も出しておまじないをしてもらうより、自分の手を揉み、生命線を強くしなさいとアドバイスするでしょう。手のモミモミは脳の活性化を生み出し、有効なホルモンを照射で全身にみなぎらせるということで健康になるということです。
赤瀬川原平は貧乏な時偽造定期券を使っていたと告白しています。たとえ年月が切れていても、堂々とした態度で改札を通り抜けると、呼び止められることはなかったということです。しかしなかには慧眼な職員もいて、一度追いかけられたこともありましたが、逃げ切っています。むかし定期券の偽造で何百万円も徴収されたニュースもありました。何年間も使っていたのでしょう。赤瀬川原平も今は裕福になっているのですから、この駅の職員室にこの雑文で得た金で菓子でも買って届けたらと思うことです。