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1939年、この年は何とかドイツから脱出できる最後の年だろうと思われます。この機を逃してドイツに留まったユダヤ人はほとんど強制収容所送りです。ユダヤ人に対する暴力は当たり前になり、ドイツで貴族でもあったベーコンの父でもゲシュタポに捉われてひどい暴力を受けています。ナチスの幹部にわいろを渡してイタリアから中国へ出国します。途中で荷物検査を受けます。もし宝石や金など持ち出そうとしたら即刻強制所送りです。駅駅でそういう検査があり、ドイツに送り返される人も多い。肛門や生殖器の中まで調べるのです。10代の少女には耐え難いものだったでしょう。やがて上海に着きます。家で雇っていた子守の女性に宝石を託しイギリスの親戚にあずけてもらって、それを航行中の船に送ってもらう算段をしていましたが、中身はガラス玉や釘のような物ばかりです。ナチスの時代恩義があってもユダヤ人ならその恩義に背いても問題はないと思う人も多いのでしょう。上海に着いたときから物々交換生活になります。もちろんユダヤ人同士の助け合いもあります。とはいっても、今まで貴族の生活をし、きれいなところに住んでいたのに、今や上海の路地裏、夏の間ゴミは饐え、赤ちゃんの死んだ死体やまだ生きている赤ちゃんもゴミの中に埋もれている。水洗トイレなどなく、瓶があって、それを毎朝肥取が取りに来て、その後道端で瓶を洗い流すのです。だから路地中臭くて、文明国に住んでいた人は耐え難いものであったでしょう。人間はいずれにしても慣れるものだとわかります。ベーコンが中国の将軍の若い三人の妾に英語を教えるアルバイトをしています。同じ年代ですから仲良くなります。贅を尽くし、庶民の女とは民族が違うのではないかと思われます。日本人との関係は二つ記しています。一人はユダヤゲート―を管轄する日本の役人です。身長が低いので、机の上に上がり物差しでベーコンの父を叩いていましたが、振り払うと途端におとなしくなり、事務手続きを手際よくするようになったそうです。もともと弱いくせに威張る癖が日本人にはあるということがわかります。もう一人は、高級将校で、ベーコンの女友を妾にしようとして、缶詰や、彼女らの手に入らぬものを倉庫から取り出して、食で釣ろうとする軍人です。このようでは戦争に勝てるはずがありません。日本の軍人は補給には無関心だか、性の補給は並々ならぬ手当を施すようです。