忍者ブログ

読書

クリストファー・ヒバート 倫敦路地裏犯科帳

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

コメント

ただいまコメントを受けつけておりません。

クリストファー・ヒバート 倫敦路地裏犯科帳


     盗賊でも鼠小僧のような人気者がイギリスの18世紀にもいたのです。ジャック・シェパード。二度も脱獄に成功し、最後には公開死刑で、民衆の喝采を浴びながら、絞首刑にあいます。齢二十歳ちょっとの小男です。今の刑法では強盗で人を殺していないのですから死刑にはならないでしょう。でも18世紀のこの時代、ものを二、三回盗むだけで死刑になっていました。未成年なんかも容赦しません。9歳の女の子も雇い主の女主人から少額のカネを盗んだということで死刑になっています。この頃ロンドンは都市化が進み、私生児が多く増え、これらが大人の食い物になっています。煙突掃除には体の小さい5歳くらいまでの子供を使用しています。風呂も入らないのですから、すすで真っ黒になり、肺をやられ早死にします。最近のインド映画にもあったように、私生児を集め、目を潰したりしてカタワにし、乞食に仕立ててカネを儲ける輩もいました。ジャック・シェパードは父も母もいましたが、離婚し、10歳過ぎたころから徒弟に出ます。酒場に出入りし悪い仲間や売春婦と出会い、やがて盗みを始めます。ジャック・シェパードの肖像画がありますが、まだ少年のようです。このようなものが鉄球がつながった鎖の足枷をはめられても、やすやすと解き、二度も脱獄して娑婆に舞い戻ったということで大人気者になったのです。三度目捕まった時は、面会者が日に何人もきたそうです。刑務所としても、面会させるためにカネを受け取るのですから、シェパード様さまであったでしょう。

PR

コメント

プロフィール

HN:
No Name Ninja
性別:
非公開

カテゴリー

P R