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読書

トーマス・フリードマン レクサスとオリーブの木 下


    グローバル化は、好む、好まないにもかかわらず、世界に浸透していくのだと言っています。オリーブの木の下で「ロバ」に乗っていた人々は、今やF1のレーシングカーに乗らないといけないのです。大半が投げ飛ばされます。それが非正規雇用者、ネットカフェ難民、情報機器を扱えない人々です。勝者は一人であとはすべて敗者になる厳しい世界です。高速投資集団が国家の垣根を越えて、アメーバーのように侵入してきます。その国がこれら高速投資集団の規格に合わなければさっさと資本を引き上げていきます。このような厳しい世界についていけない人はグローバル化に異を唱え始めます。

「保護された経済システムの中にいたものは、高速世界に移動できないと敗者になることもある。政府によって聖別され、輸出入独占権を与えられた企業家とその仲間たち、高い関税率で政府に保護された産業資産家、一つの契約を交わすたびに労働時間の削減と賃上げを勝ち取ってきた巨大労働組合、収益を上げようか上げまいが給料をもらっていた国営工場の労働者、事情の別なく、かなり寛大な恩恵と医療を享受していた福祉国家の失業者、そして情け深い国家によって市場とその容赦の無い側面から守ってもらうことに、胡坐をかいた全ての人々がいる」

「それゆえに、いくつかの国で、グローバル化に反対する最も強力な反動を引き起こしているのは、最貧困層と亀ではなく、保護された共産主義システム、社会主義システム、福祉システムのなかでぬくぬくと過ごしていた、中流や中流の下に属する時代遅れの人々だ」

ところがグローバル化の推進者のアメリカがトランプによってオリーブの木に戻ろうとしています。「中流や中流の下に属する時代遅れの人々」の怨念のよる票田を得て大統領になったのですから、トランプはそれらの人々の歓心をかうための政策をしないといけません。関税を上げたりしていますが、この先どうなるのでしょうか?北朝鮮の問題に対しても国対国の対立にもって行き、以前の民主党のオバマのように、北朝鮮を生かす殺さず、ころあいを見て高速投資集団を注入するといった政策ではないようです。

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