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マリオ・リヴィオ 偉大なる失敗

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マリオ・リヴィオ 偉大なる失敗

凡人の失敗は、失笑、侮蔑、喜びを他人にもたらすが、天才たちの失敗は、マリオ・リヴィオはこのように書いています。

「天才たちの犯す過ちは、事実、発見に通じる入り口であることが多いのだ」

    アインシュタインの一般相体対性理論の宇宙定数ですが、これは蛇足だと思われたものが、最近では一般相対性理論と量子力学を結びつけるものとして考えられています。

最近物理学方面での画期的なニュースは流れてきません。大統一理論はまでできていないのでしょう。停滞気味なのかもしれません。かつて量子力学のポール・ディラックがこう言っています。

「1926年なら、そう優秀な人間でなくても、重大な問題を解くことは可能だった。ところが今では(1930年代)、現にとても優秀な人間が、解くべき重大な問題を見つけられずにいるのだ」

このまえ科学技術の論文数の世界ランキングが発表されましたが、日本だけが減少気味で6位に落ちています。一位は中国で、順に並べてみますと、アメリカ、インド、ドイツ、イギリス、日本、フランス、イタリア、韓国、ロシア、カナダ、ブラジル。見よう見まねで作っていた中国が今では技術革新では一番になっています。かつてホンダの社長が油まみれになってバイクのエンジンを開発していたころは技術も進歩していたのです。物造りには実際そこのタッチしていないと、進歩していかないものかもしれません。単に頭で考えているだけでは、技術の進歩はないのです。数多くの失敗を重ねて、やっと成果が出てくるのです。日本は中国のそういった失敗を揶揄していた時期がありましたが、とうとう月の裏側まで衛星を着地させると、真顔になさざるをえません。かつて孫文が、銃殺される中国人をヘラヘラ笑って見ている中国人を見て、何と情けない国民かと嘆いていましたが、今では天国でマアマア満足しているかもしれません。それに反して福沢諭吉は歯軋りしているのではないかと思われます。

DNAの解析の競争でワトソン・クリックに負けたポーリングの失敗はかつての成功のゆえに起こったことだと説明されています。この説明のために行動経済心理学者のカーネマンの言葉を引用しています。

「われわれは永久に疑心暗鬼の状態の中でいきていくことはできない。だから、考えうる最善の物語を作り上げ、その物語が真実であるかのように生きるのだ」

だからわれわれも、かつての高度成長時代の成功談にとらわれることなく、一から、やり直すしかないようです。

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