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「マーク・トウェイン」の名の由来は、セラーズ船長なるものがいて、ニューオーリンズの「ピカユーン紙」にミシシッピ河の「水位や状態に関するもの」を載せていた。その時に彼のペンネームが「マーク・トウェイン」なのです。「マーク・トウェイン」を訳すると「水深2尋」(約3.6メートル)ということで、船が航行できる最低の水深だそうです。マーク・トウェインが新聞記者をしていたとき、セラーズ船長が亡くなったときいたので、それ以後このペンネームを使ったということです。
マーク・トウェインは水先案内人に弟子入りして、それになったのですが、この本では水先案内人が船のかじをとったりしています。船長はいるのですが、船長は何をしていたのでしょうか?船客をもてなすホストのような仕事をしていたのでしょうか。
マーク・トウェインの弟も船に乗って仕事をしていましたが、この船の師匠である水先案内人は口が悪く憎まれ者で、この男が弟に石炭を投げつけようとしたので、マーク・トウェインは椅子を振り上げ、彼の頭に激突させました。それでマーク・トウェインはこの船から降り、別の船に移りましたが、弟がいた船は蒸気爆発を起こし、弟は死んでしまいます。
ミシシッピ河はよく氾濫を起こし、以前栄えた街が水没して跡形もなくなっているということを記しています。カテリーナ・ハリケーンでニューオーリンズの街が水浸しなった映像を見ましたが、マーク・トウェインが水先案内人であった頃はもっと多く氾濫し、河の流れも変わっていたのでしょう。それ故水先案内人が必要とされていたのでしょう。水先案内人をしていた頃から21年後、またマーク・トウェインはここに来て、「セントルイスからセントポールまで約800マイル」の船旅で遡上した記録がこの本です。蒸気船は、あっという間に増えた陸上の鉄道に客や貨物を取られ、かつての栄えはありません。
この記録のなかにフィクションか実話かどちらがよくわからない話を挿入しています。司祭の息子で犯罪者の男の話です。ハーバード大学を出ている秀才ですが、とてつもなく悪なのです。ある司祭のもとに、ある信仰者の婦人から、ある男が書いた綴りの間違えだらけ手紙がもたらされます。それには刑務所で出会った男(つまりこの極悪な男)に感化されて、刑務所を出たら真面目に生きるのだよとさとされたということを、キリスト教徒が感激するようなスタイルで書いているのです。やがてこの手紙の内容が広まり、この男の助命運動が起こります。ところがある慧眼の紳士がいて、間違いだらけの綴りであるにもかかわらず、理路整然とした文章を見て、これは無教養な人間が書けるものではないと見破り、よく調査したら、この極悪非道な男が書いたものであるとわかったという話です。手紙の中身は、刑務所を出て有り金がなくなり、男の言われるように神にお祈りしたら、奇跡が起こったという話です。つまり荒れ馬の馬車が疾走してきて、それをこの男が止め、馬車にいた二人の子供を助けたことにより、運が開けていったという話です。