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現代インド文学選集 7

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現代インド文学選集 7


     タラションコル・ボンドバッダエの短編集です。西ベンガル州ビルブム県出身で、1898から1969年まで生きた人です。私はインドときいても、ガンジーかタゴールしか知りません。それにカースト制があるというくらいです。ベンガルときけば、ベンガル虎くらいでしょう。忘れていた!ブッタが生まれた国です。それにインド映画「スラムドッグ$ミリオネア」を見ました。便所に落ちて、糞まみれになった子供が印象的でした。かつての我々を思い出しました。それにマイケル・ジャクソン以上にダンスのうまい芸能人がいることも知っています。女性の歌手のあの声の高さは、どこの国の女性も叶いません。この選集の中に「花環と白檀」のタイトルの短編があり、インドの門付けする女性のことが書かれています。家々に行って歌を歌い、おカネをもらう女性です。カースト制では低い位置にいるのではないかと思われます。この小説のなかで「信愛派」と「性力派」というのがヒンズー教にあることがわかりました。それぞれに祭る神が違うようです。主人公は「信愛派」であり、13歳で結婚しますが15歳の主人は早死にし、「信愛派」では母がそうであったように一生寡婦で過ごすようです。ところがこの主人公は僧に見初められ、彼の家に行きます。そこには死にそうな妻がいるのです。ヒンズー教の僧は禁欲的ではないようです。元の妻が死んで妻に納まりますが、後にもっと若い女性をこの僧は家に連れてきます。一夫多妻制なのかもしれません。結末としてこの女性はさっさと家から出て行きます。

カースト制で最高の位置にいるバラモンでもその中身はいろいろ格差があるようです。「供養バラモン」では高位のバラモンの雑業をしているバラモンが出てきます。高位のバラモン家で宴会などあったりすると、それを各家のバラモンに告げることをしています。そのあとでその宴会の末席でご馳走を食べたりしています。話の筋は、同じ頃に生まれた赤子を低位のバラモンが入れ替えるのです。高位のバラモンの妻は何度も子供を生みますが病弱で育ちません。今回もやはりそうなりそうですが、供養バラモンがこっそりと自分の赤子と入れ替えます。十何年後、その子は結婚し子を生みますが、死んでしまいます。その葬式で「丸い塊(ピンド)」が出て、それを供養バラモンが食べる儀式があるのですが、この主人公は今回は食べられないと懇願するのですが、最後の場面はこのように記述されています。

「供養に日、牛舎に座って、未亡人となった妻が、死者の好物を固めた丸い塊を入れた器を、チョクロボルティの手に渡した。司祭が言った、「食べるんだ、チョクロボルティ」

丸い塊を本当の親が食べてはいけないことがあるのでしょう。それは不浄な供養バラモンが行うことなのかもしれません。

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