[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
ただいまコメントを受けつけておりません。
 
    ハイドリヒは音楽学校を経営する両親から生まれ、海軍に入るが、婚約不履行の査問で海軍を追われ、もう一人の婚約者の親がナチス党員であったので、ナチスに入り、それからめきめき出世をし、SS(親衛隊)の長官になり、チェコでテロにあい、重症で程なく死んだという経歴の持ち主です。38歳の短い人生ですが、彼のやったことは何百万人ものユダヤ人、共産主義者、身体や精神の障碍者、ゲルマン人の特質を備えていない他国民の殺戮です。戦後も生き延びてイスラエルの特殊警察に捕まって絞首刑になったアイヒマンと比較すると、アイヒマンは殺人マシーンの謹厳沈着の「能吏」といわれていますが、ハイドリヒはSSの中で高い地位を持ちながら、一介の搭乗員として自ら飛行機に乗ってポーランドを攻撃したというくらいですから、より行動的な人間であったのでしょう。アイヒマンの容貌はユダヤ人に似ているとよく揶揄されていましたが、ハイドリヒは、「金髪、碧眼」それに背の高さもあり、まさしくヒットラーの言う人間の頂点に立つゲルマン資質を備えているということです。東洋の哲学者も常々人間思い上がるとろくでもない人間になると言っています。ハイドリヒも若くして他の人間の殺傷権をもつほどの権力をにぎったということで、自分を見失ったのでしょう。ハイドリヒは第一次世界大戦の戦後派で、実際戦闘には参加していません。ベルサイユ会議でドイツに多額の賠償金を課せられ、ドイツがハイパーインフレに見舞われた時代に青春時代をすごしていたのです。日本でも秋葉原事件があったように、経済的弱者は時には社会に手痛い反抗をおこしますが、これがドイツでは国家規模で行なわれたということになるでしょう。世界の序列にヒットラーは反旗を翻し、それに多くの国民が賛同してついていったということになります。
歴史でよく言われていることは、一度あったことはまた起こるということです。今アメリカではトランプが大統領になり、その原動力には没落気味の白人層にあるといわれています。まさしくベルサイユ体制のドイツ人民に比肩されます。KKKの復活か、そこまではないとしても、今一度白人中心主義の政権の奪取ということになるのではないか。再びアパルトヘイトが復活されるような状況になっているような気がしてきます。アパルトヘイトから収容所の概念は近い。メキシコとの国境に壁を作り、アメリカそのものが巨大な収容所になるかもしれません。