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永井荷風が明治大正にかけて江戸情緒がなくなっていくことに対して悲しみと懐かしさを書いているように、令和の三浦展は、高度成長期から下町が「近代化」し、工場が建てられ、それに伴って労働者が住み着き、活気ある商店街が形成された状況、ある面、働けばみんなが中間層の生活ができるという明るい未来を持った時代をノストラジックに書いています。今ではこれら下町も、工場が少なくなり、商店街も活気がなくなり、建つのは超高層のタワーマンション、まさかこのようなマンションから、すっぴんでチョコチョコと出て、商店街のコロッケ屋から晩の夕食のコロッケを気軽に買うこともできないだろう。昭和30年代高度成長が始まり、コロッケからトンカツ、ステーキに寿司と、徐々にグレイドアップしていきました。中卒でも高卒でもがんばればそれなりの生活ができた時代です。現在の、内面矛盾や差別があるにもかかわらず、表面上取澄ました態度を取り、問題がないかのように生きている人が多い。
三浦展に言う「社会散歩」とは「文学散歩でもなく建築散歩でもない。人々の汗と涙の歴史をたどる」ということです。