忍者ブログ

読書

久坂部羊 大学病院のウラは墓場


     私が元気な間は近藤誠の本を読んで、医者にかかればかかるほど早死にすると思って、定期健診や医者にかかることをしないでいましたが、いざ、心臓が不整脈をうつと、途端に医者に行き、今も真面目に薬を飲んでいます。これでは、延命治療など不必要だという威勢のいい信念も、いざそういう状態になったら、いつまでも生きたいという往生際の悪さが出てくるのではないかと、自分の信念のなさにわれながら驚いている次第です。とうとうこのような本まで読むようになって、薬でもきかなくなったら、どこの病院で手術をしたらいいのかと調べている自分が何ともあさましい。元気な間は「諦念」を持ち出して、悠々と死んでいくのだ、なんぞ医者にかかって体を切り刻まれ、チューブにつながされた人生に何の意味が在るのだと思っていましたが、これは元気である時に思うことが出来ることであって、いざ病弱になると、「諦念」などと言って、格好をつけるんじゃないよということになります。どうも名医とは死体の山を築いてこそ、成り立つものであるということがわかりました。特に大学病院は若手の学生の訓練の場であるので、それを承知で入院しないといけないようです。名医も50過ぎると視力の衰えから、手元不如意になるということも書かれていて、そうかといって20代の若手では手術件数も少ないだろうし、いやはや死ぬのも紆余曲折があり、すんなりといかないようです。もはや運を天に任せるほか無いようです。

PR

コメント

プロフィール

HN:
No Name Ninja
性別:
非公開

カテゴリー

P R