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読書

大久保義信 戦争映画でわかる戦略と戦術

    第一次世界大戦では、戦死者が802万人、負傷者が2122万人、民間人の死者が664万人、第二次世界大戦ではもっと増え、第三次世界大戦では、大方の人間が死滅するだろうと予想されています。スターリンの言うとおり、この第一次世界大戦から、手工業の戦争から大規模工場の戦争になったのです。でもこの第一次世界大戦では頭の古い将軍たちの戦術はナポレオンの時代と同じであり、乃木希典大将のように、突撃一辺倒で機関銃の前でバタバタと兵員が死んでいます。第二次世界大戦からはっきりと総力戦の戦いになり、国力の違いが勝敗の決め手になります。おまけに思想的には単純で愛国心が戦う動機になっていました。ところがベトナム戦争ではベトナムの何百倍も国力のあるアメリカが負けてしまいます。クラウゼヴィッツの復活です。信義のない戦争はどんなに近代兵器を身につけても勝てないことがわかりました。戦う本人や、後方の国民が今やっている戦争に疑念を抱き始めると、途端に弱い兵隊になります。アメリカの海兵隊の映画がありましたが、新兵を過酷な訓練で洗脳していく過程が見られます。あれこれ考えることを停止させて戦うマシーンに変貌させるのです。シュワルテェネッガーのターミネーターの完成です。ターミネーターのプログラムを改変するためには、そこにウィルスを忍び込ませねばなりません。それは諜報とも謀略ともいわれるものです。CIAやプーチンが最も得意とするものです。それらが用いる手法の一つに映画もあります。かつて日本も戦意高揚のために国策映画を作っていましたが、今ではこのような単純な映画では鼻で笑われてしまいます。意図がわからぬように作るのが現代の国策映画です。しかし日本の戦争映画では余り進歩が無く、センチメタルなものが要所要所に出て、これがまさしく例のウィルスであり、精神力の弱い兵隊を多く作り出しているようであります。これも反国策映画なら成功した部類に入るかもしれません。大和という映画で女・子供の嘆きのシーンなど無用です。冷徹に大和が撃沈されるまでを描ければいいのです。それによって我々はこの大艦主義の時代遅れさを感じ取り、失敗しないためにはなにをすべきかを考えないといけません。
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