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岸本英夫は東大で宗教学を教え、島田裕已の先生です。アメリカ研究派遣中ガンになり、座禅で心の動揺を抑え込んだとふうに装ったが、当時ガンは不治の病であり、宗教学者としてそのような態度をせざるを得なかったのだが、実際は覚醒したという気分ではなかったということを告白しています。その辺の事情を「碁餓鬼」でこう書いています。
「ところが、その時、碁を並べてみて驚いた。碁は正直なものである。いくら並べてみても、いつものように食い入るようなおもしろさが少しも湧き上がってこない」
理性では解決したような態度を取っていても、心情が、なんで私がこのような病魔に侵されないといけないのだという理不尽な思いに駆られていたのでしょう。私はこれを読んで私の寿命はまだ続くのではないかと思いました。何しろいまだに将棋がおもしろく日に何回もインターネットで将棋をしているからです。岸本英夫よりも知性もなく、毎回同じようなことをやっていても飽きることがないのです。同時に私はこの将棋をボケの定点観測に使っています。
還暦(満60歳)古希(満69歳)喜寿(満76歳)傘寿(満79歳)米寿(満87歳)卒寿(満89歳)白寿(満98歳)百寿(満99歳)となり、私はそろそろ喜寿になるので、ここ二、三年体調の悪さで家に引っ込んでいますが、本当はこの歳まで生きたということは喜ぶべきことだと思わないといけません。