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「ぼくは不完全な死体として生まれ、何十年かかかって完全な死体になるのである」
いま私の状態は、後もう少しで「完全な死体」になるという地点にいると思われます。10年も生きれば御の字です。この歳になると明日目が永遠に覚めることがないともかぎりません。かがんで急に立ち上がると、めまいがします。意識が遠のく感じがします。思わず手を近くのものに置いて、体の安定を保つことになります。もはや走る筋肉や跳躍する筋肉はありません。そろそろと歩くのが精一杯です。
敗戦後、日本とドイツのあり方を島田雅彦は示しています。ドイツでは教会やコンサートホールの建て直しをし、日本では闇市と米軍のための慰安所を作っています。これで日本はいかに「おもてなし」の国かということがわかろうというものです。島田にとってこれははなはだ面白くないようですが、ドイツ人たちは自分の心の安定のために教会や好きな音楽を聴くためにコンサートホールを作ったということは、自分たちの事しか考えていないということになり、反対に日本は恐れのためとはいえ、相手のことを思いやっているということになり、一概にどうのこうのといえないことかもしれません。ただし残念なことは慰安所を画策し実行した役人や政治家たちが自分の妻や娘を就職させないで、金に困った娘や未亡人にその仕事をやらしたということです。