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英語のタイトルでは「Discovering America Through Theater」となっています。日本語のタイトルではアメリカのテレビドラマを通じてアメリカ社会を考えると思ってしまいます。錯覚を通して出版数を伸ばそうとしたのでしょう。変に小難しい演劇の解説よりは、はやっているテレビのドラマを解説の方が肩が凝らないし、旬の女優や男優が出て話題に事欠かないでしょう。私も今はやっているテレビドラマを通じて、アメリカではこういう問題が話題になっているのかを知りたいがためにこの本を手に取ったのですが、肩透かしに合ったようなものです。そうはいっても、高校生くらいの年頃が主人公の発情青春ドラマを見ても実際は何ら意味のないものでしょう。
アメリカ演劇ですぐ思い出されるのは、「欲望という名の電車」と「セールスマンの死」でしょう。「欲望という名の電車」は1947年私が生まれた時にできた作品です。この本では「男と女のパワー・ポリティクスととらえています。第二次世界大戦中、アメリカの女性は軍需工場などに働きに出ます。それを通して戦後、女性は主婦として家庭に収まるべきものではないという考えが広がります。女性も欲望を持ち自由に生きていこうとする考え方と、あくまでも男の付属物として慎み深く生きていかないといけないという男の考え方の対立だそうです。
「セールスマンの死」も初演が1949年です。アーサー・ミラーの作品です。今でいう社畜の悲しみをうたっているものです。アメリカンドリームも日本ドリームも同じものです。結局は父親というものは子供のために犠牲になることです。後続するものたちのために自殺してまでも保険金を得て助けたいという親心です。