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濱田篤郎 旅と病の三千年史

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濱田篤郎 旅と病の三千年史


    英語の
traveltrouble(心配)toil(苦労)から派生した言葉だそうです。国内旅行では言葉がわかるのであまり心配することはありませんが、やはり海外となると、あれやこれや心配が重なるでしょう。おまけに昔は歩いていくのですから、帰ってくるまで何十年もかかるということになります。

李白に友の孟浩然を送る漢詩があります。

故人西辞黄鶴楼

姻花三月下揚州

孤帆遠影碧空尽

唯見長江天際流

また旅での漢詩もあります。

朝辞白帝彩雲間

千里江陵一日還

両岸猿声啼不在

軽舟已過萬重山

友を送るにしても、自分自ら旅に出ていても、生死がかかっているのですから、現在のパックツアーのような気軽さはありません。

話が変わり、梅毒についての感染経路の推察があります。1494年アメリカからヨーロッパに持ち込まれ、1498年バスコだ・ガマによってインドに、1505年には中国の広州まで到着しています。そして1512年とうとう日本まで広がってしまいます。たった10年余りで世界を梅毒は一周したのです。中国南岸部で海賊をしていた倭寇たちによってもたらされたのではないかといわれています。電光石火のごとき下半身のつながりは、現在の5Gの早さにも劣らぬものといえるでしょう。

 

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