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加藤徹 貝と羊の中国人

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加藤徹 貝と羊の中国人


        中国の成り立ちは今から3000年前に、東の殷と西の周と相克・合体したことからはじまります。東の殷は豊かで、子安貝を貨幣として使っていました。貝のつく漢字はすべて金や財産や財宝などを示します。合体を潔しとしない殷人はその地から去り、自分たちを「商」と名乗ります。それが商人や商業になり、現代では華僑につながるものです。一方周は羊でもわかるように遊牧民族であり、羊は神に捧げる貢物を示し、羊のつく漢字は「義、美、善、祥、養、儀、犠、議、・・」ように「無形のよいこと」を示し、精神性を重んじます。中国人とは一方ではキャピタリズムを示し、また一方では、イデオロギー論者でもあります。砕けて言えば、カネと論法ということになるでしょう。中国語も「我愛・・」でもわかるように主語のある言語であり、英語とよく似ています。ヨーロッパも中国も民族同士戦い、負けると消滅を繰り返してきたのですから、どうしても「我、我」と大声で叫ばなければいけなかったのでしょう。

この本で面白いと思ったのは、宋代の「笑苑千金」のなかにある、「三千貫の報酬で死刑の身代わりを引く受けた男の話」です。この貧乏男は一千貫を父母の老後に残し、一千貫を自分の弔いの費用に、あとの一千貫は自分の墓の横に積んでおくというのです。なぜ一千貫を墓の横に置くのかというと、銭を持って帰る人々が自分のことを金持ちだと思ってくれるだろうという理由からだそうです。やはり中国人には「面子」が銭と同等に必要であるということがわかります。「面子」をつぶされるほど、中国人は怒り心頭することないのですから、虎の尾っぽである面子を踏まないように外交面でも注意深くやっていく必要があります。

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