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瀬川晶司 後手という生き方

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瀬川晶司 後手という生き方


     今年もアマの今泉健司がプロになっています。奨励会を出ないで将棋プロになったのは、この著者の瀬川晶司と二人です。戦前には花村元司という人がいまして、賭け将棋を生業にしていた真剣師がプロになったことがあります。私が若かりし頃、平和公園で将棋をしていた時、花村が弟子か付き人かとともにやって来て、その弟子と私は百円を賭けて賭け将棋をやりました。飛車と角を落とした二枚落ちでやったのですが、何回やっても勝てません。私は熱くなりもう一回もう一回とやっていましたが、花村が弟子にもういい加減にしろといって、やめになりました。弟子か付き人かしれませんが、素人相手に百円を賭けて何回も将棋をするということはこの人もよっぽど将棋が好きだったのでしょう。鼻っ柱は強いが、てんで実力ない私を相手に、「ヒッヒッ」と笑いつつ、私が指すとすかさず指していました。

その後精進を重ね、アマチュアで、広島将棋同好会では初段、インターネットでは瞬間最高2段にまでなりましたが、今は2,3級に低迷しています。才能もないのに道を誤った見本が私です。プロになろうという気がさらさらありませんが、若い頃から将棋に潰した時間を考えると、もっと別の生き方もあったろうにと忸怩たるものがあります。

瀬川晶司も今泉健司もフリークラスですから、ここで10年してもCクラスに上がれないと、またプロから締め出されます。C級は2クラス、B級も2クラス、それにA級があって、その上に名人があります。40代の両者には名人になれる可能性は99.99%もありません。200人ものプロ棋士がいる中でタイトルを取れるのはわずか10人くらいでしょう。

今度の竜王戦で広島将棋センターで育った糸谷哲郎は森内俊之を破って、26歳にして竜王のタイトルを奪取しました。私のお客さんで糸谷が小学生頃負かせてやったと自慢する人がいます。でも一ヶ月後には手も足も出なくて負けたそうです。このタイトルで4000万円入り、いろいろな棋戦で勝っていますから今年の糸谷の収入は6000万円くらいになるのではないでしょうか。人の収入を詮索するのは下品ですが、若くしてこのような収入があったら、私はどうするだろうかと考えて見ます。高い「お風呂」に通いつめるでしょう。こう思うと、何かしら腹が立ってきて、糸谷よ、そんなことはしないで将棋に邁進しろよとゲキを飛ばしたくなります。金持になりたてが人生で一番の危機である、と、一回も金持ちになったことのない私が不遜にも糸谷に教訓している図は甚だしく滑稽でもあります。

カネにまつわる話はつい興奮してしまいますが、ヤンキースの黒田にはもっと興奮します。20億円を蹴って、たった4億円でカープに再入団するとは!なんでもったいないことをと思いますが、黒田には黒田なりの考えがあるのでしょう。十分に溜まっていることだろうし、カネの問題ではなく、名誉や生き方にかかわってくるのでしょう。いまだカネにまつわるものをクリアーできない私は相も変わらず、底辺であくせく周回し、「名誉」とか「生き方」などに考えが及ばない、慌しい生活を送っているということになります。

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