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この本で東条英機の新しい一面を知ることができました。最盛期には権力を誇り、敗戦になると、わざと急所をはずし自殺を装った臆病な男と思っていました。彼が占領軍に捕まった後、家族に残した言葉は思わずほろりとされます。
「これからはお声をかけてくださる方とだけ付き合ってゆけば、それでよい。・・・これからは私たちと知り合いだったことを、知られたくない人が当然出てくるであろう、私たちからは声をかけてはいけない。それが私たちの誠意というものだ」
やはり一国の指導者になる人は、どこか一般人とは少し違う、ある突出したものがあるのかもしれません。あの丸メガネの東条英機は軍服をきている時は軍人に見えますが、普段着をきている時はそこらへんのオジサンと変りがないようにみえます。しかし人間の機微を知っているがゆえに、総理大臣にもなれたということで、ヒットラーやスターリンと違ってどこか人間的な温かみを持っているように感じます。だから死にきれないで、急所をはずして銃を撃ったりしているのです。ヒットラーは完璧に自殺し、遺体すら焼却し、後がわからないようにしています。スターリンは自分の息子がドイツ軍に捕まっても一切の取引はしませんでした。その息子は収容所の塀の金網で感電死しています。