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菅原和孝 もし、みんながブッシュマンだったら

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菅原和孝 もし、みんながブッシュマンだったら


    著者には二人の息子がいて、長男は障害者です。二人がまだ小学生のとき、ブッシュマンが住んでいるところに母とともに連れてきています。南アフリカのすぐ上のボツワナという国の中です。菅原和孝ははじめヒヒの研究をしていたのですが、人類学のほうへ移ったようです。1949年生まれですから現在では70歳で、息子たちも大人になっているでしょう。

アフリカでは水ほど大切なものはありません。コップに注がれた水を長男が飲まずに地面に撒き散らします。それを見た菅原和孝は長男を叩きます。ブッシュマンは菅原和孝にこう言います。

「おれはユタカ(長男の名前)がガマーハ(大好き)だからユタカをぶつのはよせ。彼は人を殺すことを知らぬ子なのだから」

原始的な生活をしているブッシュマンでもこのようなことが言えるということは、考えているということは我々と少しも変わらぬということです。それ以上に障害を持つ人に対しては優しさを持っているということです。ブッシュマンは猟をして獲物を手にしても、この鳥とこれは働くことができなくなった老人が食べるものだといって、自分たちは決して口にしません。得たほかの獲物も村人全体で分けます。格差の広がる先進国となんという違いでしょうか。やがてブッシュマンの社会もグローバリズムによってかわるかもしれませんが、集団の中で弱い人たちを守るという気持ちだけは永遠に残ってほしいものです。

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