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鈴木貞美 日露戦争の時代

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鈴木貞美 日露戦争の時代


夏目漱石は「それから」という小説で日露戦争後の日本の状況を主人公の代助にこう述べさしています。

「第一日本ほど借金を拵えて、貧乏震いをしている国はありゃしない。この借金が君、何時になったら返せるかと思うか。そりゃ外債くらいは返せるだろう。けれども、そればかりが借金じゃありゃしない。日本は西洋から借金でもしなければ、到底立ち行かない国だ。それでいて一等国を以って任じている。そうして無理にも一等国の仲間入りをしようとする。だから、あらゆる方面に向かって、奥行きを削って、一等国の間口を張ってしまった。なまじい張れるから、なお悲惨なものだ。牛と競争する蛙と同じことで、もう君、腹が裂けるよ。その影響はみんな我々個人の上に反射しているから見給え。こう西洋の圧迫を受けている国民は、頭に余裕がないから、碌な仕事はできない。」

G7サミットが今年5月広島で行われますが、夏目漱石のこの言葉がズキンときます。7国で最低の賃金で、貧困率も高い。労働生産性も韓国に抜かれ、「碌な仕事もできない」という言葉は明治のことではなく、現在の我々のことを言っているのかと思われます。国の借金も1000兆円を超え、身分不相応な生活をしているのでやがて見栄を張りすぎて蛙のように腹が裂けるのではないか。

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