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下巻も一般投資家を食い物にする証券会社の悪辣ぶりのオンパレードです。最近老後のためには貯蓄よりも投資を勧めていますが、このような証券会社の状況を見るととてもじゃないが信用する気になりません。はっきり言って株は賭博であり、儲ける人がいれば、同時にそのために損をしている人もいるのです。ゼロサムゲームで、結局は手数料を取る胴元=証券会社だけが儲ける仕組みになっているのです。宝くじだって貧乏人への徴税だといわれるように半分以上は国が儲かるような仕組みになっているのです。もはや資本主義はカジノ経済になっていて、何か新しいものを作ろうとする気配はなく、単なる財テクでカネを増やすことばかりに費やしているようです。トヨタも投資会社のようになったら日本も終わったということになるでしょう。
上巻は敗戦からバブル前までのことを書いています。戦前も戦後も一貫して日本の社会はこうだと言っています。
「明治以後、日本の政府がやってきた歴史をたどると、官僚や軍部の失敗や産業・金融界のツケを国民に回すことが常套手段となっている。そのことを歴史を紐解きながら胸に刻む必要があろう」
日本で個人株主が少ないのは、散々博徒まがいの証券会社の社員に騙された結果です。ヤクザの親分や政治家などには手厚い保証を与えて株を売っていますが、一般庶民には自分たちの損失を肩代わりさせるやり方をとっています。一流と言われる証券会社がこうなのですから、素人などいとも簡単に有り金全部を巻き上げられるでしょう。この本では中曽根のあくどさが殖産住宅関連で書かれていますが、東大の同級生をも裏切って、株がらみの事件を逃げ切っています。一方は脱税王と言われ困窮し死に、中曽根は後に一番高い勲章をもらっています。
原節子、大正9年生まれ。私の母と同世代だ。14歳で映画界にデビューし、昭和37年40歳過ぎにぷっつりと映画界から去り、その後半世紀も生き延び95歳で亡くなっている。女優をやめる前、土地やら株を買い、それが老後資金になり、ある年には土地を売って税務署の高額所得者の名簿に載ったりしている。親が生糸の輸出仕事をし、世界恐慌に巻き込まれ、裕福な生活から下落したという経験が彼女を倹約家にし、蓄財に励むようにさせたのでしょう。一生独身でしたが、姉の夫と一緒に住んでいて、姉は夫の実家に住んでいた時が多いので、二人はできていたのではないかと疑われています。この夫も映画監督で、原節子を主演にして映画を作りましたがこれといった傑作はないようです。我々が一番よく知るところは小津監督の一連の「紀子」ものです。日本人には見られない大型の体とバター臭い顔が印象的です。戦前には女優など売春婦と思われた時代で、永遠の処女と兵隊たちに絶大の人気があったのも彼女の煌々しい美しさがあったからでしょう。