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読書

こんがり、パン



     パンについてのアンソロジーです。

開高健の話は私も思わずまぶたが潤んでしまいました。戦後学校に弁当を持っていけなくて、水道水で腹を膨らませていたとき、友達がいも入りのふかしパンを机の上に置いてくれます。彼はそれが恥ずかしくて、学校に行きづらくなります。その友とは目をあわすのもできなくなり、やがて離れ離れになります。何十年かたって、ニュース映画で、弁当を持っていけない東北の児童の、昼休みの状況を見たとき、開高健は「いそいで私は身を起こし、着慣れた非情をひきよせ、鎧おうとしたが、それよりも速く涙が頬をしたたりおちはじめた」と書いています。今の時代では考えられないことです。最近は何の不満があるのか、おかしな事件が多い過ぎます。満ち足りて礼節を知るとはいかないようで、満ち足りてもそれ以上の欲求が起こるということでしょうか。

フランス革命はパンの革命だということがわかりました。1793年国民公会の法令9条に、「フランスの全てのパン屋は、ただ一種類の良質のパン、すなわち平等パンだけを作るものとする。違反した場合は禁固刑に処する」とあり、フランスのパンの長さは重さは法律で決まっているそうです。食い物のねたみをおそろしいということで、例のマリー・アントワネットの「パンが食べられないなら、お菓子でも食べればいいのに」の一言で、彼女はギロチンで首を切られました。今の日本ではそのようなことを言っても「炎上」するだけで、殺されることはないでしょう。ワールドカップサッカーで、日本が警告数の少なさで予選を通過しましたが、世界に比べたら日本民族はおとなしい民族だとわかります。これを言うとまた問題になりますが、韓国のサッカーの警告数の多さです。ルールを余り守らない人に何やかやといわれたくないものです。世界の人たちもこの実態を知ってもらって、公平な目で見てもらいたいものです。

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