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読書

アーヴィング・ストーン リンカーン夫人の生涯


    「生涯」といっても、リンカーンが劇場で暗殺され、ホワイトハウスを出るまでのことです。夫人が死ぬまでことは書かれていません。当時ではリンカーン夫人の評判はよくありません。ガミガミ女であったということが言いふらされています。しかしアーヴィング・ストーンは、娘時代からリンカーンと交際時、結婚当初までは、良家の子女として、愛情深く優しい女性として書かれています。同時に背が高いだけで、田舎者臭いリンカーンの中に輝くものを見つけ、それを引き出し、磨いていくのが自分の使命だと考えることのできる慧眼の持ち主である女として書かれています。しかしアーヴィング・ストーンといえども、リンカーン夫人のヒステリーの逸話を書かざるを得ません。南北戦争の最中の出来事で、北軍の閲兵式で、リンカーン夫人の馬車が2時間も遅れ、夫人が到着した時、閲兵式は行なわれていて、リンカーン大統領の隣に将官の妻が並んで閲兵していたのを見て、怒り心頭して、その将官の妻が泣いて誤っても許さなかったということです。リンカーンも兵士たちを2時間も立ちっぱなしにしてはかわいそうだと思い、将官の妻に頼み込んだと説明しても、夫人の怒りは収まらなく、そのまま帰っていったそうです。

リンカーン夫人は4人の子供をもうけましたが、一人は幼少期に、もう一人は10歳頃ともに男の子を病気で亡くしています。また長男は、藪睨みで、子供たちにいじめられ、後に手術して治りました。末っ子は口蓋裂傷で発音が不鮮明な障害をもっていました。三男だけが何ら障害もなく、勉強もできて賢い子供であったのに、可愛い盛りに死んでしまいました。思うようにはならないものです。しかし長男はハーバード大学で法律を学び、南北戦争ではグラント将軍の側近になっています。

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