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読書

ウィリアム・パウンドストーン 科学で勝負の先を読む


     勝運にのっているときはアメリカ英語で「ホットハンド」と言います。うまく行く時は何事もうまくいくということです。それを体現いている人間はますます自分に自信を持ち、自分の才能をたのむようになります。億万長者になったのは自分の頭がいいからだとかんがえるようになります。しかし科学の目から見るとそれは単なる偶然からです。たまたま運がよかっただけです。たとえばコインを投げて裏か表を計数すれば、何万回すればほぼ5割になりますが、100回くらいでは裏が10回も続く時もあります。たまたま金持ちになったのはその10回分に当たったというときです。乱雑とか乱数とかのイメージは10回も裏が続くと言うのはおかしいと思い、続いても3
,4回ぐらいだと思いたがります。ルーレットもそうですが、15回も黒が続くと、次は赤が出るだろうと思うのが人間の心理です。乱数では15以上も黒が続く時もあるのです。それが乱数や乱雑の真骨頂なのです。長い目で見ると平均的になりますが、位置的には隔たりが強く出ている時期もあります。そういうのが乱数なのです。

人間は予測不可能なランダムさ対処できませんから、自分に都合のいいようなストリーや神話を考え出します。それが「ホットハンド」であったり、「塞翁が馬」の話になるわけです。株も競馬も科学の思考で勝とうと思ったら、100%まるまる勝を狙わないで、50%少し超えるくらい設定して長い目でカネをはるべきです。そうして「ホットハンド」や「塞翁が馬」の話を信じている大方の人間の反対のことをすればいいのです。何事も人まねをしていてはその人以上にはなれないし、かえってひどい目に合うことが多いのです。どの世界に於いても人がやっていないことをやるのが、成功するかしないかは別にして、自分自身の神話を作り出すことになります。それからやがて彼は伝説になるでしょう。今はやりの言葉『レジェンド』になるのです。

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