[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
ただいまコメントを受けつけておりません。
囮捜査官はハリウッドの世界だけだと思っていましたが、イギリスの警察の中にロンドン警視庁美術骨董課という部局があって、その課員のチャーリー・ヒルが本編の主人公です。オスロでムンクの有名な絵画「叫び」が盗まれ、このヒルがアメリカの大金もちのゲティ美術館の外商部の課員になりすまし、犯罪者たちと交渉して、ムンクの「叫び」を取り戻すまでに経緯を書いているのです。ハリウッド映画のように派手な銃撃戦はありませんでしたが、正体をあかされないためにいろいろ苦労しています。もともとヒルはアメリカ生まれで、回りまわってドンドン警察に就職したもので、アメリカ風の発音もイギリス風の発音も両方出来ます。美術愛好家であり、映画に出てくるようなマッチョな男ではなく、でっぷりと肥えて、俊敏な囮捜査官に見えません。だからこそ彼は疑い深い犯罪者をだますことが出来たと思われます。これが目つきの鋭い映画に出てくるような囮捜査官なら彼の体は蜂の巣のように銃弾をぶち込まれていたでしょう。
ムンクの絵は美術館に帰ってきましたが、それに携わった犯罪者たちは、ノルウェーの法律では、ヒルのような囮捜査で捕まった場合、それらの囮捜査官の証言は無効であるという事で、それぞれ軽い罪を負っただけです。しかしながら犯罪者の一人は誰かから銃殺され、もう一人はヘロインの過剰摂取で死亡してしまいました。いずれにしても犯罪者の平均寿命は短いということは間違いないようです。