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読書

クリストファー・ライアン カシルダ・ジェタ 性の進化論


        チンパンジーやボノボと人間が分離したのが約500~600万年前、DNAの違いはたった1.8%です。チンパンジーやボノボを観察すれば、本来の人間のセクシュアリティがわかると言っています。要は「乱婚」なのです。農業が始まる一万年前の先史時代、狩猟採集時代には部族内の男と女は分け隔てなくセックスし、子供はみんなが父親、みんなが母親でうまく機能していたのです。冷蔵庫などありませんから、獲ってきた獲物は即座にみんなで分配しました。溜めるということはしません。自然が食物の宝庫で、明日になればまた何とか獲物にありつけるのです。ボノボのメスは誰とでもセックスしますからオスの緊張度はあまりなく、オス同士の戦いなどはありません。チンパンジーは一見上位のオスの支配に服しているようですが、その実メスは下位のオスと隠れて多いにセックスをしています。今でも人間の女性はセックスのクライマックスになると「よがり声」を発しますが、この意味はこの種の共通の「乱婚」性によります。他のオスたちにもっと私とセックスして呼びかけているのです。女性は資質の高い男性を選ぶために、財産や財を勝ち取る能力のある男を選ぶという通説がありますが、これは農業が出来てから後のことです。先史時代の女たちは自分の膣の中で数多くの男たちの精液を戦わしていたのです。だからチンパンジーもボノボも人間もこの楽しい競争で男のペニスや睾丸が他の動物に比べて異常なほど大きくなっているのです。農業が出来て、土地に区切りが出来ると、男も女も誰もが共有するものではなくなります。とくに女は土地と同じ存在になって行きます。何十万年も乱婚で過ごしてきた人類が一夫一妻に暫時なって行きます。しかし現在この人間性を無視した制度がいろいろな破綻をもたらしています。男は浮気します。女は性欲なき者と扱われ、無理して貞節を装っていますが、思わず発する「よがり声」に太古の郷愁が甦ってきます。この本でも書いていますが、日本の女性は日本では慎ましいセクシュアリティを強制されていますが、毎年多くの女性がタイのリゾート地ブーケットに飛行機でやってきて、「行きずりのセックス」を満喫しているようです。日本の女ばかりではありません。欧米の女も「イスタンブールやバリ、ガンビア、タイ、ジャマイカ」などで「後腐れのない」セックスを楽しんでいると書かれています。

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