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この本の結論、死後の世界はないということです。あの世へいってきたという人の言説は、人間だけが発達した左脳の言語領域の作話によるものです。他の哺乳類動物でも、例えばライオンに襲われ死に掛けた野牛でもあの世へ行きつつあると思っているかもしれないのです。ただ言語化できないので、言えないだけです。
私たちは毎日軽い死の体験をしています。睡眠です。レム睡眠の時は夢を見ます。毎日が平凡なので、大概は平凡な夢しか見ません。私も今しがた夢で死んだ父母と妹の夢を見ました。家の鍵をかけていないので、何と無用心なことかと思った夢でした。父母からも妹からもまだこっちに来るのははやいと言われることはありませんでした。ところが事故にあったり手術をしたりすると、途端にあの世へいったという話が多く出ます。まず長いトンネルが出てきます。これは生理学的にいえば、網膜への血流の減少です。周辺が見えなくなって一点に集中するものによります。トンネルを抜け出ると、眩むような光の洪水に出会います。これは視覚野に電極を刺すと起こります。脳の化学変化によって視覚野が賦活されるのです。体外離脱は側頭頭頂接合部の不活動によって起こります。つまり血流が少なくなっている状態です。至福感は脳内麻薬エンドルフィンの拡散です。ライオンに襲われ死ぬ間際の野牛に作話の能力があれば、私がライオンに食われることによって、他の多くの仲間が救われるのだという宗教的崇高感が感じているでしょう。
「我ながら厄介なことを思いついたものだ。私たちの霊性が人間らしさの最後の砦ではないかもしれないとは、宇宙論の進歩につれて壮大な機械論的宇宙が姿を現しつつある中、人間がいよいよ取るに足らない小さな存在に思えてきている時だけに、なおさら不愉快千万な思い付きであろう」
延命治療を望まない人が多くなっているように、もうそろそろ「あの世」まで作って永遠に生きることを諦めた方がいいのかもしれません。この地球上でも何度も大量絶滅が起こっているのですから、人類が永遠に存続するとは思えません。