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読書

ゲーリー・へクター 巨大銀行の崩壊


        バンアメリカの創業者はイタリア移民の息子で、中学生頃から、継父の青果商を手伝い、小金をため、それから不動産業、金融業に入っていった人です。あっという間にサンフランシスコの小さい銀行が全米一の銀行になったのです。創業者の名は、A・P・ジャニーニ。それが1980年だいから毎年赤字を出すような会社になったのです。A・P・ジャニーニが社長をやっていた時代は余り問題など出ていません。監督官庁との軋轢はあったものの、創業者の勢いでそれらを吹き飛ばしていました。ところが二代目社長、三代目社長になると、かつての勢いはなくなり、膨張するよりは安定を図り、管理を強化することになります。二代目社長、三代目社長はジャニーニの息子でもなく親族でもありません。株主から選ばれたものです。

この本で会社の盛衰をコンサルタント業のアディゼスが説明しているのを紹介しています。

「幼児期の会社は革新的で急速に成長する。成熟につれて、次第にアドミニストレーターとプロデューサーを多く必要とするようになる。・・・成長は続くがアドミニストレーターによって適当にコントロールされる。しかしアドミニストレーターの支配が強くなるにつれて、衰退し始める。会社は活力を失い、安定期を過ぎて官僚的になる。最後にライフスタイルの終わりに近づくと、優秀なアドミニストレーターも止めていき、会社には技量のある者が少なくなり、倒産すなわち消滅に向かう」

三代目社長が止めた時、赤字会社であったにもかかわらず、1700万ドルの退職金を支払い、返り咲いた二代目社長も、赤字を毎年垂れ流しているのに、1987年には年収77万5000ドルももらっています。

さてここで日本を考えてみると、何もかも衰退期に入っているのですから、アドミニストレーターすなわち官僚がはびこり、その中でも優秀な官僚ほどやめていき、文科省の役人のように、実力もないのに医科大学に自分の息子をコネで入れたがる、どうしようもない役人ばかりが出てくるのでありましょう。日本消滅は近いようです。

 

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