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読書

森茂子 アサー家と激動のインド近現代史


     森茂子が結婚したラムシンの祖父、アサー・ヴィルジー・ラダーは一代で繊維業を興し、巨万の富を築いた人です。二代目キムジー、ラムシンの父は親の遺産で一生裕福に過ごしましたが、大きく発展させることはありませんでした。キムジーには先妻の子の長男マトラマスと、後妻の長男カクバ、それに女の子たち、森の夫ラムシンなどがいて、それぞれ遺産を相続しています。夫のラムシンはアメリカで経営学博士号をとり、学者になっています。長男カクバはネール首相の娘(後にインドの首相)とも知り合い、結婚まで考えていましたが、カーストの違いで結婚できませんでした。ネルーはバラモン(司祭)であり、カクバはクシャトリア(戦士)であり、その違いから親族が反対したのでしょう。

祖父・アサー・ヴィルジー・ラダーは飢餓のため、12歳で、2歳年下の弟とカッチからボンベイに船で渡りますが、弟の乗った船は暴風雨で遭難し、死んでしまいます。その弟の名はキムジーと言い、自分の息子の星座が弟の星座にそっくりなので、その名をつけたということです。たった12歳で空手でボンベイに出て40歳頃には大金持ちになっていたということは、運も良かったかもしれませんが、それ以上に本人の努力がすごかったのでしょう。1880年代の祖父の写真を見ると、カイゼル髭をはやし、眼光鋭く写っています。インド独立のためにガンジーにも多額の寄付金を与えています。最近インドでは中間層も増え、経済成長も高く、高度教育も先進国に負けていません。インド工科大学(IIT)に落ちこぼれたら、仕方なくアメリカのマサチューセッツ大学に行く、というふうになっています。

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