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サリーさんは京都大農学部大学院を卒業された才媛です。大学の図書館の「食品学の棚のどの本に何が載っているのかほとんど把握していた」ということです。家庭も「食べることが大好き」ということで、「食べることが楽しみだったら毎日幸せでいいよね」と同じ事を父親も娘も思っていたということです。普通毎日人は二食か三食をたべるのですから、これに楽しみがなければ人生はつまらないものになるでしょう。独り者の永井荷風はカツどんが大好きで、一人寂しく出前のカツどんを食べていました。家族がいなぶん煩悶も少なかったろうけど、孤独感がつのったでしょう。おのずと人恋しさに外に出てぶらつくようになります。このように何か欠けるものがあるとそこに埋め合わせのために「文学」が生まれるのでしょう。
幸せは幸せなりに充分いいものではありますが、それにどっぷりと浸かってしまうと何か物足らなさが生じてくるような気がします。料理でも時にはスパイスを効かせたものが食べたくなります。サリーさんも時にはホストに入れあげ、父親を悲しませるようなことになると、料理の幅ももっともっと広がるかもしれません。