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シャンカール・ヴェダンタム 隠れた脳

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シャンカール・ヴェダンタム 隠れた脳


          自転車を乗れるようになると、意識しないでも体が反応します。脳が自動運転のモードになったからです。無意識が体の動きを指令しています。考えることもなく、脳のエネルギーの節約もしてくれます。しかしこの節約が、いろいろなバイアスをもたらします。一匹のイヌの救助に全国民がハラハラするのに、ルアンダの大虐殺には何の反応もしないのは、なぜか?人間は古来、少数の家族や親類などの苦しみにはよく気づきますが、大人数の集団の苦しみは、同情やら優しさの気持ちが湧いてきません。無意識は「大きな数字」は苦手ということです。ヒットラーは一人を殺した殺人者より「何百万倍も悪人」と「腹の底から」感じることもありませんとヴェダンタムは書いています。これを「望遠鏡効果」と名づけ、無意識は100のものよりは1のものにフォーカスするようにバイアスをかけているのだそうです。だから一匹のイヌの救助に多大な義捐金が集まるが、ルアンダの大虐殺に会った人々にはお金が集まらないということになります。

無意識は便利なものでありますが、別の意味で「障害」にもなりうるものです。ヴェダンタムは最後こう言ってしめくっています。

「本能や直感より理性を優先できるのは、人間をこれまで存在したあらゆる動物との間に一線を画する、特筆すべき性質である。隠れた脳を理解して、そのいたずらから自分を守るためにセーフガードを築けば、日常生活をもっとうまくすごせるために役立つであろう」

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