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読書

ジョン・W・カルヴァー 石井裕之 あるニセ占い師の告白


     コールド・リーディング(
cold reading)とは、「何の準備もなしに、その場で相手の現在・過去・未来を占うこと」、別の言葉では、「トリックや話術を駆使して、相手の現在・過去・未来を占ったように錯覚させる技法」だそうです。貴方の家の庭には松が植えていませんか、植えていない、それはよかった、松があったならもっと大変なことになったでしょう・・・という類のものです。「フィッシング」とか「パンピング」とかは「相手から情報を引き出す」テクニックで、占い師でなくても、営業マン、普通の会社員でもやっていることです。

ジョン・W・カルヴァーは実在の人物ではなく、石井裕之が小説風に仕立てて人物です。タロット、手相、筆跡分析、前世占いまでして巨万の富を得たことになっています。ジョン・W・カルヴァーは客を「カモ」と言い、「カモが求めているのは、よく当たる占いではない。ましてや、適切なアドヴァイスなどではまったくない。いつもは周囲から軽んじられている自分という存在を、ことさら重要なもののように取上げてもらうことで、エゴが満たされ、非日常的で刺激的な時間を過ごすことができるのだから、五,六十ドルの見料も決して高額ではないだろう」それに、「カモが求めているのは、いい訳だ」ということで、占い師はそれを肯定することに限ると言っています。

石井裕之の経歴を見ると、学歴は省略していますから、東大ではないでしょう。セラピストと自称しています。公的な心理療法士の資格を取っているわけではないようです。著書が20冊以上もあり、中にはベストセラーになった本もあるようです。資格や学歴が無くても実力があれば、べつに問題は無いのですが、こと、精神世界を取り扱うこの領域で、パーソナルモチベーターとかセラピストといわれても、なかなか信じられない気分になります。

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